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瑟
「瑟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瑟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「名人伝」より 著者:中島敦
《みち》も!」 その後当分の間、邯鄲の都では、画家は絵筆を隠《かく》し、楽人は
瑟《しつ》の絃《げん》を断ち、工匠《こうしょう》は規矩《きく》を手にするのを恥《....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
。 寄託冥然去。 我心何所之。 帰来覓命根。 杳※竟難知。 孤愁空遶夢。 宛動粛
瑟悲。 江山秋已老。 粥薬※将衰。 廓寥天尚在。 高樹独余枝。 晩懐如此澹。 風....
「豕」より 著者:田中貢太郎
話をはじめたが、女の口が旨くてかなわなかった。その後で、帷をおろし、燈に背き、琴
瑟已に尽きたところで、※が啼いて夜明けを知らせた。女は起きて帰ろうとしたが、李汾....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
逗子の秋は寂しくなる。話の印象はいつまでも消えない。朝な夕な波は哀音を送って、蕭
瑟たる秋光の浜に立てば影なき人の姿がつい眼前に現われる。かあいそうは過ぎて苦痛に....
「読書法」より 著者:戸坂潤
る。元来氏はアカデミックな気むずかしやの一人である。直子女史のアカデミー振りと琴
瑟相和す部分もないではないようだ。併し結局氏は批評的精神ではなくて肯定的精神であ....
「弟子」より 著者:中島敦
入ってから自分は悪言を耳にしなくなったと。 四 ある時、子路が一室で
瑟《しつ》を鼓《こ》していた。 孔子はそれを別室で聞いていたが、しばらくして傍....
「連環記」より 著者:幸田露伴
か、未だ生れていなかったか知らないが、若盛りの夫婦で、女貌郎才、相当って居り、琴
瑟こまやかに相和して人も羨む中であったろうことは思いやられるのである。さて定基夫....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
深い尊敬をいだいていた。ジャン・ミシェルの方でも、妻に深く感心していた。二人は琴
瑟相和《きんしつあいわ》して十五年間を過し、四人の子供をもうけた。それからクララ....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
義哉の女房となった。二人にとってはこのことは、願ってもない幸いであった。勿論|琴
瑟相和した。 義哉の芸名は延太夫と云った。 即ち清元延太夫である。もとが立派....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
れわれの知らない、重大な証拠をお持ちになっていられるでしょう、――彼らは大変|琴
瑟相和した夫婦だったと云うことですがね、――」 「私はただあの舞踏人の話を知って....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
し。よく干したものを削って耳掻きに一杯飲むと、身体自ら熱温を生じ性気昂進して、琴
瑟相和するところの奇薬であるという。 抱肝も恐ろしいものの一つだ。抱肝は河豚の....
「中支遊記」より 著者:上村松園
射し、このさまをみては武陵桃源という文字もありそうなことだと思うし、白髪の仙人が
瑟をもった童児を従えている図も絵空ごととは思えない風景である。 またしても思う....
「向嶋」より 著者:永井荷風
くに言っている。「凡ソ物ノ声、大抵隔ツテ聴クヲ好シトス。読書|木魚《もくぎょ》琴
瑟《きんしつ》等ノ声|最《もっとも》然リトナス。鳩ノ雨ヲ林中ニ喚《よ》ビ、雁ノ霜....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
にも交すことの出来ない場面を設ければよいであろう。楓葉荻花《ふうようてきか》秋は
瑟々《しつしつ》たる刀禰河《とねがわ》あたりの渡船《わたしぶね》で摺れちがう処な....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
て,その隣に一家を構えた. そのうちに,兄夫婦の間に可愛らしい子供ができて,琴
瑟いよいよ相和すというありさまだった. ところが,おれのところでは,どうしたわ....