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「瓢箪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

瓢箪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ロリと退治た。吃驚仰天した顔をしたが、ぽんと樋の口を突出されたように飛んだもの。瓢箪に宿る山雀、と言う謡がある。雀は樋の中がすきらしい。五、六羽、また、七、八羽....
婦系図」より 著者:泉鏡花
物の、背のクロオスの文字が、伯林の、星の光はかくぞとて、きらきら異彩を放つのを、瓢箪式に膝に引着け、あの右角の、三等待合の入口を、叱られぬだけに塞いで、樹下石上....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
く。スティームと人いきれで汚れた車内の空気が窓外の景色で洗われたように思われた。瓢箪をさげて見る景ではない。もっと荘厳な、もっと幽邃な景である。汽車は雪よけのト....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
に。(と涙声にて云う。) 晃 ……おい、あの、弥太兵衛が譲りの、お家の重宝と云う瓢箪を出したり、酒を買う。――それから鎌を貸しな、滅多に人の通わぬ処、路はあって....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ひいらひいら、あの生白けた芋の葉の長面が、ニタニタ笑えながら横に飛んだ。精霊棚の瓢箪が、ひとりでにぽたりと落ちても、御先祖の戒とは思わねえで、酒も留めねえ己だけ....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
勤め申候 名の上へ、藤の花を末濃の紫。口上あと余白の処に、赤い福面女に、黄色な瓢箪男、蒼い般若の可恐い面。黒の松葺、浅黄の蛤、ちょっと蝶々もあしらって、霞を薄....
縁結び」より 著者:泉鏡花
人公の熊野を勤めた婦人は、このお腰元に較べていたく品形が劣っていたので、なぜあの瓢箪のようなのがシテをする。根占の花に蹴落されて色の無さよ、と怪んで聞くと、芸も....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
。」 「御意で。」 とまた一つ、ずり下りざまに叩頭をして、 「でござりますから瓢箪淵とでもいたした方が可かろうかとも申します。小一の顔色が青瓢箪を俯向けにして....
寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
を陳列して参詣の人々を仁王門に上らせてお茶を飲ませた事がありました。それから父は瓢箪池の傍で万国一覧という覗眼鏡を拵えて見世物を開きました。眼鏡の覗口は軍艦の窓....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
にも随分物売りがいたものだった。中で一番記憶に残っているのは細工飴の店で、大きな瓢箪や橋弁慶なぞを飴でこしらえて、買いに来たものは籤を引かせて、当ったものにそれ....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
くめなのと、背広の服のと、しかるべき紳士が二人いましたが、これが、そのまま、腰に瓢箪でもつけていそうな、暖簾も、景気燈も、お花見気分、紅い靄が場内一面。舞台は、....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
い。定紋つきの塗長持の上に据えた緋の袴の雛のわきなる柱に、矢をさした靱と、細長い瓢箪と、霊芝のようなものと一所に掛けてあった、――さ、これが変だ。のちに思っても....
三枚続」より 著者:泉鏡花
かい、そうかい。これは相撲の番附、こちらが名人|鑑、向うが凌雲閣、あれが観音様、瓢箪池だって。喜蔵がいつか浅草へ供をして来た時のようだ。お前あの時分はおとなしか....
式部小路」より 著者:泉鏡花
盆などが出してあり、世界が違ったように、ここは外套やら、洋服やら、束髪やら、腰に瓢箪を提げた、絹のぱっち革足袋の老人も居て、大分の人出。その中にもお夏さんが見え....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
を扱きながら、挨拶したのは、べんべらものの被布を着て、煤くすぶりの総の長い中位な瓢箪を提げている。「御先生様。」「はい、大先生様。」と割込んだ媽々衆が二人、二人....