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瓦礫
「瓦礫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瓦礫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
て余は彼の首を、権田は彼の足の方を、双方から捕えて舁ぎ上げ、次の間へ運んで行き、
瓦礫《がらくた》道具でも扱う様に押入れの中へ投げ込んで戸を閉じた。
第九十一回....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
歩を阻止し、事業そのものは、段々人間の生活から分離して、遂には生活途上の用もない
瓦礫となって、徒らに人類進歩の妨げになるだろう。このような事象は、その大小広狭の....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
う。 九 また新治の地なる者暴雨流潦の経る所に遇うがごとし――又如経。新治の地は
瓦礫を去ったやわらかな土面、雨水にあった跡を言う。潦は路上の流水。 一〇 風炉―....
「花吹雪」より 著者:太宰治
の素直なる御賛同を得たるも、教訓する者みずから率先して実行せざれば、あたら卓説も
瓦礫に等しく意味無きものと相成るべく、老生もとより愚昧と雖も教えて責を負わざる無....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
うな高等数学の数式を取り扱い、その解式が得られると、その数式の神秘な力によって、
瓦礫の前提から宝玉の結果が生まれるかのような気がしたり、またその計算がむつかしく....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
染井の植木屋が折角の骨おりも何の役に立たず、花の君子なるものと賞された菊も、徒に
瓦礫の間に余生を送る姿、なんぼう口惜しい限りだろうか。 紅葉は吹上御苑の霜錦亭....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
振返った方角から、ぼろを頭の上からかぶった男がひとり、散乱《さんらん》した円柱や
瓦礫《かわら》の間を縫って、杖をたよりにとぼとぼと近づいてきた。 彼は、たえず....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
とだった。 迫るこの時計屋敷の爆発時刻、間にあわなければ自分ももろともに屋敷の
瓦礫《がれき》の下におしつぶされてしまうのだ。しかしもしも間にあって、あの大時計....
「連環記」より 著者:幸田露伴
ては月光童子の物語がこれと同じ事で、童子は水観を初めて成し得た時に、無心の小児に
瓦礫を水中に投げ入れられて心痛を覚え、それを取出して貰って安穏を回復したというの....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の作者ごときは、外套を着た蟻のようで、電車と自動車が大昆虫のごとく跳梁奔馳する。
瓦礫、烟塵、混濁の巷に面した、その中へ、小春の陽炎とともに、貸本屋の店頭へ、こう....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
い煙がうすれると ビルディングは裂け、橋は崩れ 満員電車はそのまま焦げ 涯しない
瓦礫と燃えさしの堆積であった広島 やがてボロ切れのような皮膚を垂れた 両手を胸に....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
でいた。そして夜明けをむかえたのである。 わが家の跡には何もなかった。くずれた
瓦礫の下に、書物の原形をそっくりとどめた灰もあった。みんな燃え失せたのだ。まだ東....
「雪の宿り」より 著者:神西清
か、承仕法師の姿さえ一人として見当りません。もしや何か目じるしの札でもと存じ灰塵
瓦礫の中を掘るようにして探ねましたが、思えば剣戟猛火のあいだ、そのようなものの残....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
む生活材料の乏しい今日このごろの生活であろう。十倍、百倍の生活材料を以てして遂に
瓦礫や、死かばねの堆積に過ぎないのだ。私は幾度でもくり返してこれが嘆かれる。心か....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
。再びこの世に生れ変って来るものであるということを確かに信じて居るのは、いわゆる
瓦礫中の璧であるです。ところが生れ変って来るという原因結果の道理を信ずるところか....