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「甘し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

甘しの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風の便り」より 著者:太宰治
たでしょう。それは、先輩というものでありました。心境未だし、デッサン不正確なり、甘し、ひとり合点なり、文章粗雑、きめ荒し、生活無し、不潔なり、不遜《ふそん》なり....
人間失格」より 著者:太宰治
》、みんなシノニムだ、罪の対語は何だ」 「ツミの対語は、ミツさ。蜜《みつ》の如く甘しだ。腹がへったなあ。何か食うものを持って来いよ」 「君が持って来たらいいじゃ....
獄中記」より 著者:大杉栄
相聞、民至老死不相往来という、その消極的無政府の社会が描かれてある。最初の一字の甘しとしただけがいささか覚束ないように思うけれど、まず僕等の今の生活と言えば、ま....
字で書いた漫画」より 著者:谷譲次
私の先祖が殺したんでさあ。」 8 お母さんがよく拵えてくだすったあの甘しいプディング――That sweet pudding mother used....
獄中消息」より 著者:大杉栄
至老死不相往来という、その理想の消極的無政府の社会が描かれてある。最初の一字の、甘しとしただけがいささか覚束ないように思うけれど、僕等の今の生活と言えば、正にこ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
余りあるほど数多ある。卓越して理想を味わってる国民も、次に泥を噛《か》んでそれを甘しとする。そしてソクラテスを捨ててフォルスタフを取る理由を尋ねらるる時、彼は答....
嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
かに没常識であっても、ともかく「人間」です。美しきを見て美しと思い、甘きを食って甘しと思う人間です。ですから、まのあたり被告人を見たり、そのいうところを聴いたり....
哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
論理学のものと考えたり、無作為な解釈の一種と考えたりすれば別だが、水を含んで之を甘しとし、欣然として之を飲みほすことがなぜ一体、判断ではないか。苦がい水は吐き出....
」より 著者:マクラウドフィオナ
あたえよ 彼女《かれ》にことづてよ、カアル彼女《かれ》を愛し、おもいでは生よりも甘しと われ暗黒《やみ》と静寂《しじま》の中に彼女《かれ》の胸の鳴るをきく その....
三国志」より 著者:吉川英治
顔色に沈めてゆく。 梅酸も酸味 敗戦もまた酸 不同といえども似たり 心舌を越えて甘し 馬上、ゆられながら、彼はいつか詩など按じていた。逆境の中にも、なお人生を....