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甘ったれる
「甘ったれる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甘ったれるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
るのは、この世ならぬ傲慢《ごうまん》の精神か、それとも乞食の根性か、どちらかだ。
甘ったれるのもこのへんでよし給え。」言い捨てて立ちあがった。 「あああ。こんな晩....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
になったからでしょう。兵馬の首に抱きついて、自分の面をそこへ持って行って、充分に
甘ったれるようにシナをしながら、トロリとした酔眼をみはって、そうして兵馬の面を見....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
そのまま鎮まったとさえ云えば、沢山である。 そして、今やこの家の主人公が、さも
甘ったれるように娘を自分の方へ凭れ掛けさせながら、その娘やその母親と一緒に自分の....
「千世子」より 著者:宮本百合子
と苦痛の時間を長くしようとして居た。 両肩を張って二人にぶつかりながら歩いた。
甘ったれる様な意味のある様な様子をして居るのが源さんに気に入らなかった。 「何....
「千世子(三)」より 著者:宮本百合子
まんま当分遊ぶときめた。 千世子によっかかりながら云う。 何故、そんなに
甘ったれるんだろう、 大きななりをしてながら、 私より貴方は随分かさばって居....
「旅へ出て」より 著者:宮本百合子
に響く。 小鳥さえも居ない木から木へと見すかしては友達をさがす様な様子をして、
甘ったれる様に鼻をならしたり小雨のしずくをはらう様に身ぶるいをしたりする。 楽....
「葉桜と魔笛」より 著者:太宰治
ないことを知って来ている様子で、以前のように、あまり何かと私に無理難題いいつけて
甘ったれるようなことが、なくなってしまって、私には、それがまた一そうつらいのでご....
「猫」より 著者:豊島与志雄
っても逃げない。外へ出してもまたはいって来る。見知らぬ私たちに、喉を鳴らしながら
甘ったれる。平気で物を食い、泰然と居眠る。図々しい呑気な闖入者だ。私たちはその家....
「或る作家の厄日」より 著者:豊島与志雄
真綿全体に、おれは心身とも素っ裸のまま包みこまれてしまう。諦めて、眼をつぶって、
甘ったれるより外はない。四十五歳のこのおれが、彼女に対しては、ただ
甘ったれるだけ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
がんだ。笑わせるな。ノドがかわいたり、ゲラゲラ笑わない奴、信用できるかッてのさ。
甘ったれるな。ハッハ。しかしさ。カストリとパンパンは、甘ったれたところがネウチな....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
いんですけど……だれかと、間違えているんじゃないかしら」 ダスター・コートが、
甘ったれるような含み声で、からみついてきた。 「なら、池のそばまで出てくださいま....
「澪標」より 著者:外村繁
私は先生のごつい木綿の蒲団の中で過すようになる。先生の腕の中で、私は極めて快活に
甘ったれることも覚える。しかし、もとよりそれだけのことに過ぎなかったことは言うま....