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「甘やか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

甘やかの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
押しあてた。冷たいガラスの面が快い感触をほてった皮膚に伝えた。おぬいはその感触に甘やかされて、今度は写真を両手で胸のところに抱きしめた。 涙がまた新たに流れは....
慈悲」より 著者:岡本かの子
かもしれません。その方が本当の慈悲です。 人の云うことを聞けば宜いと云って人を甘やかすばかりが慈悲ではありません。お砂糖ばかりで煮たお料理は却ってまずい。ひと....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
んじゃないよ、この不景気にゴム工場だって同じ『ふ』の字さ。素六なんざ、お前が散々甘やかせていなさるようだが、今の中学生時代からしっかりしつけをして置かねえと、あ....
わがまま」より 著者:伊藤野枝
とまき子をくらべてみた。 まき子は登志子よりは二つ年上の二十歳だ。それでも父に甘やかされてわがままに育った彼女は、一人前の女として物を考えてみることなんかまる....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
つまらなくッて、思ってみればその時分から旦那が嫌いだったかも知れないよ。でも大方甘やかされた癖で、我儘の方が勝ってたのであろうと思う。 そのうちお祖父さんも安....
雪の日」より 著者:岡本かの子
、いざや、見に行かん。 と唄って聞かせた。彼等は嬉んで立上った。何という上品で甘やかなメロデーだと賞めそやしました。「仲間にも話して聞かせる」と御礼を言いなが....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ていた。「鞭を惜しむと、子供は甘くなる」イカバッド・クレーンの生徒たちはたしかに甘やかされてはいなかった。 しかし、彼が惨酷な校長で、生徒の苦痛をよろこぶよう....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
して貰っちまうと今度は私に対して父親や母親のような気構えになって、あんまり単純に甘やかし初めるのよ。贅沢を云う様だけど私の望んで居る「条件」を男としてかなえて呉....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
可い、どうだ。」 「はい取って下さいまし、」とやっといったが、世馴れず、両親には甘やかされたり、大恩人に対し遠慮の無さ。 七兵衛はそれを莞爾やかに、 「そら、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
い秘蔵で、芽の出づる頃より、ふた葉の頃より、枝を撓めず、振は直さず、我儘をさして甘やかした、千代田の巽に生抜きの気象もの。 随分派手を尽したのであるから、以前....
註文帳」より 著者:泉鏡花
あ、若い者が芳原へ入れば、そこで生命がなくなるとばかり信じてるんだ。 その人に甘やかされて、子のようにして可愛がられて育った私だから、失礼だが、様子は知ってい....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
からそれほど妙にも見えないで、二葉亭はお祖父さんが孫を可愛がるようにホクホクして甘やかしていた。 この猫も本とは皆川町時代に何処からか紛れ込んで来た迷い猫であ....
わが母を語る」より 著者:上村松園
ありませんでした。私にとっては母はいいもの、一番大切なものでした。 母は決して甘やかしてはくれませんでしたが、子煩悩でした。旅なぞに出ると、両方で案じ合って、....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
かもしれません。その方が本当の慈悲です。 人のいうことを聴けば宜いといって人を甘やかすばかりが慈悲ではありません。お砂糖ばかりで煮たお料理は却ってまずい。一つ....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
相続させ、同時に全財産を弟のものにしたかったんだと思います。 私は継母や伯父に甘やかされて育ち、弟は厳格に育ちました。継母は私に対しては実に優しく、何でも云い....