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甘受
「甘受〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甘受の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
と子と聖霊の三位は三つの独立した神々であることを主張して、三神説の誹《そし》りを
甘受した。我々は「いき」の理解に際して universalia の問題を唯名論の....
「三浦右衛門の最後」より 著者:菊池寛
ょう》に召し上げられたので、それ以来は、ただ主君や周囲からせられることを受動的に
甘受していただけで、自分の意志を働かしては何一つしたこともないが、氏元の彼に対す....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
う、基督は有らゆるものを犠牲に供し、救世主たるの義務の故に、凡ての迫害と窮乏とを
甘受し、十字架の死をさえ敢えて堪え忍んだ。だからお前達は基督の受難によって罪から....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
頂きたいのは、日本の国力が増進するにつれ、国民は特に謙譲の徳を守り、最大の犠牲を
甘受して、東亜諸民族が心から天皇の御位置を信仰するに至ることを妨げぬよう心掛けね....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
」 と奏して辞したと云う。 多分に禁欲的な、同時に自己の必然的運命を早くから
甘受して居る聡明な青年武将の面影が躍如としている。 正行の活動 ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
眷族ども』に迫害されるという事も、こういう意味から云う時は、肉身刑罰の一つとして
甘受すべきものかもしれません」 次第に有髪の僧の声は、悲哀の調子を帯びて来た。....
「転機」より 著者:伊藤野枝
のために努めるか。遙かな未来の夢想を信じて『奴隷の勉強』をも、『乞食の名誉』をも
甘受するか。」 もちろん私はどこまでも、自分を欺きとおして暮らしていけるという....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
出掛け、なんやあの人男だてらにけったいな人やわという娘たちの視線を、随分狼狽して
甘受するのである。 五年前、つまり私が二十三歳の時、私はかなり肩入れをしていた....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
殉じたるものなり。外国の力を仮りて政府を保存せんと謀りたりとの評の如きは、決して
甘受せざるところならん。 今|仮りに一歩を譲り、幕末に際して外国干渉の憂ありし....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
関心没交渉であった。如何に感嘆されても称讃されても藪睨みの感嘆や色盲的の称讃では
甘受する事が出来ないで、先ず出発の門出からして不満足を感ぜざるを得なかった。 ....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
る。実に親切な人だ。親身になって世話をしてくれる。私はお世話になったが、お世話を
甘受しなかった事もあるから、事に由ると世話甲斐のない男だと思われてるかも知れぬが....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
田君からヒントを得た事の甚だ多く、往々同君の発表の跡追いをなすものだとの譏りをも
甘受するものである事をここに告白して、同君に敬意を表するものである。 豊後臼杵....
「断食芸人」より 著者:カフカフランツ
、また厚かましくもそれを半ば白状さえするのだ、というわけだ。こうしたすべてを彼は
甘受しなければならなかった。長い年月のあいだにはそんなことに慣れたけれども、心の....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
ます。あるいはいわゆる融和運動者の中には、実際その解釈が当たっており、その批評を
甘受せねばならぬものがあるかもしれませんが、真の融和運動とは、決してそんなもので....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
翼をアーヘンとリンブルグ州の南端の間の狭小なる地区を強行通過する技術上の大困難を
甘受する事とした。この行動を可能ならしむるためにはリュッチヒ(リエージュ)をなる....