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甘茶
「甘茶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甘茶の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
ある。それ故、「渋味」の対立者としては「甘味」を考えても差支ないと信ずる。渋茶、
甘茶、渋糟《しぶかす》、甘糟、渋皮、甘皮などの反対語の存在も、この対立関係を裏書....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
って申すまでもなく、釈尊がインド迦毘羅国《かびらこく》の迦毘羅城にご生誕なさった
甘茶仏の当日なので、事件は伝六がしびれをきらしているようになかなか降ってきそうも....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
わ》れと思うからだ。清と山嵐とはもとより比べ物にならないが、たとい氷水だろうが、
甘茶《あまちゃ》だろうが、他人から恵《めぐみ》を受けて、だまっているのは向うをひ....
「雪の塔」より 著者:海若藍平
四月八日の私の誕生日になると、子供たちが大勢来て、私の頭の上を花で飾って、頭から
甘茶をかけてお祝いをしてくれます。私はこんなに親切に可愛がってもらうと、うれしく....
「私の父」より 著者:堺利彦
たこともあった。蓮池の計画もあったが、これは実現されなかった。珍しい物としては、
甘茶の木だの、三叉の木などがあった。桑の木のことは、後に記す。 父は煙草も好き....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の鐘が子供を呼ぶと、爺か嬶か姉に連れられた子供が、小さな竹筒を提げて、嬉々として
甘茶を汲みに行く。
東京は桜の盛、車も通れぬ程の人出だった、と麹町まで下肥ひき....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ことがよくあった。ある日、かれのそうした様子を見ていた茶目な一塾生が、四月八日の
甘茶だといって、タオルにふくませた湯を、かれの頭上にたらたらとかけてやった。かれ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
たら顫え上るだろう。その夕陽新聞なるものは、土台骨ばかり大きくて一向に尻腰のない
甘茶新聞とは訳が違い、なにしろ命旦夕に迫っているんだから、もう死物狂いだア。たと....
「回想録」より 著者:高村光太郎
た。お蚕の時に使う栃の木で刳抜いた盆にのせると非常によくはまって、丁度お釈迦様の
甘茶の時のように中に小さく桃があって面白いと思ってそれに載せて出したが、その盆に....
「おせん」より 著者:邦枝完二
かなんとかいってくれさえすりァ、おいらの頼みァ聴いてもらえようッてんだ。お釈迦が
甘茶で眼病を直すより、もっとわけねえ仕事じゃねえか」 「それでもあたしゃ。心にも....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
てるさ」 「あきれたお人」 「そうだ、明日ならよかった、四月八日の灌仏会だから、
甘茶を浴びて、こうしている――」 と、沢庵は、真面目くさって、両足をそろえ、天....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
御堂が作られてある。少年の日から何十年ぶりで、その竹の柄杓を取り、誕生仏の頭から
甘茶を注ぎまいらせる。ぼくら凡俗には、道心の方は、とても見込みなし、ねがわくば、....