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甘酒
「甘酒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甘酒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
事件かというと、毎日暮れ六ツ――俗にいう『逢魔が時』の刻限から、ひとりの婆さんが
甘酒を売りに出る。女のことですから天秤をかつぐのじゃありません。きたない風呂敷に....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
の町の光景が見たくって、三月の中ばと思う。一度|彼処へ旅をした。浅間の社で、釜で
甘酒を売る茶店へ休んだ時、鳩と一所に日南ぼっこをする婆さんに、阿部川の川原で、桜....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いらっしゃる。」 と、さしむかいの夫人の衣紋はずれに、店先を覗いて、 「やあ、
甘酒がある……」 十一 「お止しなさいよ。先刻もあんなものを食って....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、こんな奴もありますよ」 云いかけて老人は笑いながら私の顔を見た。 「あなたは
甘酒はどうです」 「子供のときに飲んだきりですが……」と、わたしも笑った。 「あ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
せる。五月には柏餅を食わせる。手習の師匠であれば、たなばた祭もする。煤はらいには
甘酒をのませる、餅搗きには餅を食わせるというのですから、師匠は相当の物入りがあり....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
男もある。蝙蝠傘を杖にして小さい扇を使っている女もある。それらの人々を当て込みに
甘酒屋が荷をおろしている。小さい氷屋の車屋台が出ている。今日ではまったく見られな....
「わが町」より 著者:織田作之助
、結構商売になる。大阪にいてては、お前、寒なったら、冷やし飴が売れるか」 「冬は
甘酒売ったら、ええ」 初枝に肱を突かれて、新太郎が言うと、他吉は噛んだろかとい....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
。戸田と小池はさきに帰ったと見えて姿が見えぬ。四時半ごろ宿に帰った。この晩坊城が
甘酒の罐詰を開けた。ほんとに好きなのは御当人と戸田ぐらいなものだが、例のがんばり....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
う云ってくれ。……戦いに倦きた宗介が生血に倦きたこの俺が美しい許婚に邂逅って恋の
甘酒に酔いしれたくそれで帰って来たのだとな。そしてまたこうも云ってくれ、そなたの....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
の、蛆虫野郎の、飴玉野郎の、――ソノ大間抜け、口惜しかったらここまでやってこい。
甘酒進上だ。ベカンコー」 「コーラ、此の無礼者奴。警察と知って悪罵をするとは、捨....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
と思う人声の、女まじりの賑かさ。――だぶだぶと湯の動く音。軒前には、駄菓子|店、
甘酒の店、飴の湯、水菓子の夜店が並んで、客も集れば、湯女も掛ける。髯が啜る
甘酒に....
「京のその頃」より 著者:上村松園
床几の彼方此方には、魚釣りがあったり馬駆け場があったり、影絵、手妻師があったり、
甘酒や善哉の店が出されていたり、兎に角|磧一杯そうしたもので埋まってしまっていた....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
々見られたであろうと思う――針を植えた赫と赤いのが、烈々たる炭火に掛って、魔界の
甘酒のごとく、脳味噌と酒とぶつぶつと煮えているのに。―― 「お悦さん――姉さん―....
「御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
る男もある。蝙蝠傘を杖にして小さい扇を使っている女もある。それらの人々を当込みに
甘酒屋が荷をおろしている。小さい氷屋の車屋台が出ている。今日ではまったく見られな....
「生き烏賊白味噌漬け」より 著者:北大路魯山人
となっている。白味噌は辛味噌からみると、大豆と糀とがかっていて塩が少ないために、
甘酒ほどではないが、甘味のかった味噌である。これに漬け込む魚類は大体決まっていて....