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甘酢
「甘酢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甘酢の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
て来たが、妙な事にはこのひと月程以前からどうした事かハタと止んで、その代りヘンに
甘酢ッぱい子供の様に躁いだ声で、時々古臭い「カチューシャ」や「沈鐘」の流行唄を唄....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
れに香味を添えるものがあれば、それでもよい酒のさかなになった。同じ大根おろしでも
甘酢にして、すり柚の入れ加減まで、和尚の注意も行き届いたものであった。塩ゆでの枝....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
く。何事も辛抱強くだ。いざという時には、甲府行きの汽車にひかれて死ぬ事も賑やかな
甘酢っぱい空想。だが、神様、いまのところはこのままでは死にきれぬ。
(十一月×....
「どぶろく幻想」より 著者:豊島与志雄
たて、相手はなんども頷いた。 そこの、腰掛に落着き、卓子に片肱でもたれかかり、
甘酢の鶏肉をさかなに、温い真白な濁酒をあおっていると、俺はもう口を利くのも懶くな....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
寿司に生姜をつけて食うのは必須条件であるが、なかなかむずかしい。生姜の味付けに
甘酢に浸す家もあるが、江戸前としての苦労が足りない。さてこんなことをつぶさに心得....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
十分間ほど漬けて丁寧《ていねい》にすればそれを取出して皮を剥《は》ぎ小骨を抜いて
甘酢をかけて山葵《わさび》を載せて出します。
甘酢は煮きり味淋へ酢と塩とを加えて醤....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
あえ》 夏 第百十九 蕨《わらび》のアク 蕨《わらび》の
甘酢《あまず》 夏 第百十九 蕨《わらび》のアク 山葵《....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
持ち上げるたびに、全身の力を要した。――そのため紅い唇や、蜂蜜のように粘る手や、
甘酢い髪の毛のにおいやらが、すぐ頭から去って、彼は、常の彼の身に回っていた。 (....
「数の子は音を食うもの」より 著者:北大路魯山人
ものに出くわさない。 生または塩漬けの数の子は、庖丁で斜めに薄く切ったものを、
甘酢にしばらく漬けておいてもよいが、いや、そのほうがよいようでもあるが、干し数の....
「西園寺公の食道楽」より 著者:北大路魯山人
、これを細く作る。これをたいの細作りとか、糸作りとか言っている。また薄塩を振り、
甘酢を用い、
甘酢作りとして食うのも、替り刺身として乙なものである。 脇腹は背肉....