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甚句
「甚句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甚句の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
世の中でございますから、見識を取りませんで、関取|衆《しゅ》が芸者の中へ這入って
甚句《じんく》を踊り、或《あるい》は錆声《さびごえ》で端唄《はうた》をやるなどと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
めぐって取持っている。 芸尽しがいよいよ酣《たけな》わになる、なかには名古屋|
甚句《じんく》も聞える―― 出来たら出来たと言やあせも こちらもカンコがあるわ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
う船に便乗した。乗客も随分多くて、中には東京帰りの九州書生などもいて、詩吟や相撲
甚句などを唄って随分騒しかった。三津の浜へ着いたのは、夜半であったが、私と今一人....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
流にはとぼしいといえども気風として烈々|尚武《しょうぶ》の町であった。
相馬|
甚句《じんく》にいう。男寝て待つ果報者――それは武士達のあいだには通用しない俗言....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
ぜ》なきところを述べんとの心なるに、聞く人はおそらく自《みずか》らしばしば唄った
甚句《じんく》か端唄《はうた》を思い出したのである。いかなることでも揚足《あげあ....
「食指談」より 著者:佐藤垢石
ったあとで、三合入りの盞で酒二十七盃をのんでから、めし三杯に茶九杯を喫し、さらに
甚句を唄って躍りだしたという剛の者であった。次に、天保二年九月七日やはり柳橋万八....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
大勢の一座らしく、幾挺かの三味線や太鼓の音に混って、甲高いお酌の掛声が響きます。
甚句というのでしょうか、卑しげな歌を歌う声も盛です。そこへ娼妓たちでしょう、頭に....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
は人気もあるまいが、しかしあれだけの芸人はいない。――ことに、阿蘭陀《オランダ》
甚句の得わかぬ文句、テリガラフや築地の居留地や川蒸気などそんな時代の大津絵や。 ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
った。ゾクゾクと小圓太は喜んでいた。 やがて木やりのあと暢気に太鼓入りで石の巻
甚句を歌い、拍手とともに音曲師は下りてきた。 十がらみの苦味走った小龍蝶《こり....
「随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
は人気もあるまいが、しかしあれだけの芸人はいない。――ことに、阿蘭陀《オランダ》
甚句の得わかぬ文句。テリガラフや築地の居留地や川蒸気などそんな時代の大津絵や。 ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
五傾すべし。端数を問うにこれと同じく、ただ一年を一傾となすのみ。また、「あなたは
甚句おどりは御好きか御嫌いか、御好きならば左回りを御願い申します」といえば、好き....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
ば五傾すべし。端数を問うに、これと同じくただ一年を一傾となすのみ。また「あなたは
甚句おどりは御好きか御嫌いか、御好きならば左回りを御願い申します」といえば、好き....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
取った多芸者であった。お玉ヶ池に住んでいた頃、或人が不斗尋ねると、都々逸端唄から
甚句カッポレのチリカラカッポウ大陽気だったので、必定お客を呼んでの大酒宴の真最中....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
抜けたら此方のお手のものと、飛ぶやら舞うやら唸るやら、潮来出島もしおらしからず、
甚句に鬨の声を湧かし、かっぽれに滑って転倒び、手品の太鼓を杯洗で鉄がたたけば、清....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ウウウ…ウ…み…… 「うまいぞッ。」と声がかかる。拍手拍手。 「ええ、今度は新潟
甚句。」「ええ、さてその次といたしまして三がい節。」「関の五本松。」「さのさ。」....