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生え抜き
「生え抜き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生え抜きの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
の間に潮の如く東京市を眼がけて押寄せて来た。実に素晴らしい勢であった。 彼等は
生え抜きの江戸ッ子のように贅沢でなかった。その趣味は浅草程度で充分であった。彼等....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろされて出て来た増蔵はほろよい機嫌であったが、これは山出しのお由とちがって、江戸
生え抜きの職人であるだけに、半七らが唯の人でないことに早くも気がついたらしく、俄....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
のような風をしていた。或者は角帽を被って大学生を装うていた。或者は半纏を羽織って
生え抜きの職人のような服装をしていた。彼等は素知らぬ顔で、表面この静寂な空気に巧....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
からでないと、学位論文はウッカリ出せないものである。 尤も杉村氏のような場合、
生え抜きの商大人なのだから、特別の瀬踏みの必要もないように思われもするのだが、併....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に、がんりきが唖然《あぜん》として、自分をせせら笑ってしまいました。 こいつは
生え抜きの紙屑買いだ。紙屑買いというよりは、紙屑拾いの部に属すべきもので、がんり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
には、不思議と紅毛人は見えないで、どれを見ても見慣れた黒髪銅色の人種、多くはこれ
生え抜きの日本人でありますが、そのなかに注意して見ると、少し毛色の変ったのが二三....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のなかった者や、その家庭に生い立った人が多いのであります。けれども、この貧窮組は
生え抜きの平民でありました。武士は食わねど高楊枝《たかようじ》、というようなこと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
言葉になるほどと感心をしました」 お角はスラスラと聞いていたが、やっぱりこれは
生え抜きの講釈師ではないと思いました。そうしてどこかで見たことのあるさむらいだと....
「高原」より 著者:寺田寅彦
。それをちっとも知らないで、ただその見物の群集の背中だけ見物して帰った訳である。
生え抜きの上田市民で丁度この日他行のためにこの祇園祭の珍しい行事に逢わなかった人....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
……これも江戸名物の一つとも申すか……。 清瀬から手前に絵馬屋があった。浅草の
生え抜きで有名な店でありました。何か地面|訴訟があって、双方お上へバンショウ(訴....
「「黒死館殺人事件」著者之序」より 著者:小栗虫太郎
見捨てて、退却する気にはなれなかったのだが、そうして回を重ねて行くうちに、案外、
生え抜きの探偵ファンの間にも、私の読者が少なくないのを知って、心強くなった。とも....
「こがらし」より 著者:岩本素白
てから、私の組には三十人ばかりの学生が居た。それが妙なことに、其の中の五人までが
生え抜きの東京生れの学生であった。其の時こそ下谷、本郷、四谷、牛込、麻布という土....
「『唯研ニュース』」より 著者:戸坂潤
かの思い込みがあって、それに支配されているようだ。つまり俺は芸術家だぞとか、俺は
生え抜きの芸術理論家だぞとかいう、一種の我慢が、その篤実な考察の合間合間に顔を出....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
掲げて景気をつけていた。だがこの神楽坂では、これといって他に誇るべき特色を持った
生え抜きの著名な老舗とか大商店とかいうものが殆どないようだ。何れも似たり寄ったり....