生かす[語句情報] »
生かす
「生かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
れは、生活よりもさらに厳粛な仕事であるのだ。しかし自然と抱き合い、自然を絵の上に
生かすという事は、君の住む所では君一人だけが知っている喜びであり悲しみであるのだ....
「階段」より 著者:海野十三
らないが、女史が生前つとめて黒い着物を選んでいたのは、女史の豊満な白い肉塊を更に
生かすつもりであったことと、女史が最後につけていた長襦袢が驚くべき図柄の、実に絢....
「蠅男」より 著者:海野十三
ドクトルのこと)の願いを入れて死刑囚を一旦処刑後引渡すから後はそのまま死なすなり
生かすなり思うようにしろと云ってくれたこと、但しこれが他に知れると由々敷き大事で....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
た。妻の挙動は確かに奇怪なものに相違なかったが、ともかくも一応の詮議をした上で、
生かすとも殺すとも相当の処置を取るべきであったのに、一途にはやまって成敗してしま....
「超人間X号」より 著者:海野十三
いたことは、知ることができたので、こんどは、例の死んだようになっている人造人体を
生かす実験にとりかかった。 彼は男性人造人間の頭蓋《ずがい》をひらいて、その中....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
はは……太刀川君。まず腰を下したまえ、君がいかに強くても、もはや我々のとりこだ。
生かすも、殺すも我々の意のままだ」 ケレンコは言葉こそていねいだが、悪魔のよう....
「豆潜水艇の行方」より 著者:海野十三
二人にむかって、 「なにをいっても、もうだめだ。ここへはいったが最後、お前たちを
生かすのも殺すのも、わしの自由だ。なんでもはいはいといわないと、ためにならないぞ....
「流線間諜」より 著者:海野十三
っていない」と大佐は帆村を静かに押しとどめ「それよりも君が持って来た密書を大いに
生かすことが先決問題だ。ことに相手が『右足のない梟』であって見れば、これは全く油....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
たいと思いました。わたしは自分のうちにあるこの二人に対して、どちらかを殺して他を
生かすか、あるいは両方ともに殺すか、とても現在の恐ろしい状態には長く堪えられない....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
して来た。溝口医師の診察によれば、かれらもお蝶とおなじ劇薬をのんだもので、もはや
生かすべき術もなかった。家内を残らずあらためたが、別に怪しむべき形跡も見いだされ....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
は苦労人で、大勢の子分の面倒も見ている男だけに、お初と六三郎とのわけを聞いても、
生かすの殺すのというような、この社会にありがちな野暮はいわなかったのです。そこで....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
た。小坂部はまた失望して、くずれるように男の死骸のそばに坐ってしまった。しょせん
生かす術はないと知りながら、かれは男の死に顔をしみじみと覗きたかった。 眇目の....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
葉が設けられてありますが、それは覚者(仏陀にも等しい人)が自分を全部他の者の中に
生かすというような宗教的|行業において特別な場合もありますが、普通世上に生存する....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
の家庭はめちゃめちゃにこわされてしまいました。夫は二人の関係を嗅ぎ付けて、殺すの
生かすのと狂気のようになって騒ぐんです。そして遂々後を追っかけて、二三日前にひょ....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
んと薬局から盗んでこの通り持っているわよ」 百合子は帯の間から薬を出して、 「
生かすも殺すもあんたの心一つ、私はもう絶対絶命なんだから、まゆみちゃんが承知して....