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生きとし生けるもの
「生きとし生けるもの〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生きとし生けるものの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
翁は、たとえ自然には冥通ある超人には違いないが、なお純粋の神とはいわれなかった。
生きとし生けるものの中では資格に於ていわば半人半神の座に置かるべきものであった。....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
屈をいう人に似合わず解らない老人だ。それだからあなたは子に不孝な人だというのだ。
生きとし生けるもの子をかばわぬものはない、あなたにはわが子をかばうという料簡がな....
「火星探険」より 著者:海野十三
余は、アメリカ国民諸君、いな全地球人諸君に深く期待し、この火星探険をしてわれらの
生きとし生けるものの幸福と栄光へ導かんことを願うものであります。ありがとう」 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の覚えがある――すべて感激に価することは、さほど大いなることではありません。我々
生きとし生けるものの一刻も無かるべからざる太陽の光、出で入る息のこの大気、無限に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《じゅんし》すべき運命のもので、今の生存は惰力に過ぎないのか。それとも、まだまだ
生きとし生けるものの一生には、生かされてある間に、その使命が尽くるということのな....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
は謎なり。 彼はこう思っていたのである。人間にとって、人生を楽しむと、すべての
生きとし生けるものの美に法悦するほど好いことはない。そこで、彼は自分の独自の人生....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
家が、山岳を行く時にかりの宿りと定めた名残《なごり》で、殺生小屋は山をめぐって、
生きとし生けるものを殺しつくす生業《なりわい》の猟師が、糧《かて》を置くところと....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
をつくり、
占星師にもえ知られぬ
あまたの星を空にみたす
うるわしき自然の胸に
生きとし生けるものは喜びに酔いしれ、
あらゆるもの、ありとある民草を
その後《あ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
しは一度も見たことがないから、真偽のほどは云い切れない。……しかしじゃ、皆さん、
生きとし生けるものは、ことごとく愛情を基としていて、愛情あれば生長するし、愛情が....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
のお蔭|蒙らざるものなければ、そのご子孫の大君は君なり、父なり天なれば、この国に
生きとし生けるもの、人間はもちろん、鳥獣草木に至るまで、みなこの君を敬い尊び、各....
「チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
見したのだ。「われ等を喚び起したまえ、われ等よりバッコスの祭を作りたまえ。」凡そ
生きとし生けるものは彼を慕い、言葉は出さねども、彼の眼差をうち見つめつつ、かくは....
「夢がたり」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
。というのはその場所が、茂りに茂った桜畑で、風上をさえぎられていたからなのです。
生きとし生けるものは、たいてい寝入っておりました。人間どもはどっさり御飯をつめ込....
「狐」より 著者:岡本かの子
合に、人間と同じように愁嘆があるものか知らん。 ――ご冗談|仰言っては困ります。
生きとし生けるものの嘆きに人、けだものの変りがございましょうか。 ――だったら、....
「かもめ」より 著者:神西清
魚も、海に棲むヒトデも、人の眼に見えなかった微生物も、――つまりは一切の生き物、
生きとし生けるものは、悲しい循環をおえて、消え失せた。……もう、何千世紀というも....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
しみったれた、つまらない人間ばかりが生まれるだろう。それが心配になる。 およそ
生きとし生けるものは、食餌に充分な理解が入用だ。獣も鳥も魚も虫も、みな相当に理解....