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「生き生き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生き生きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
《ひき》のような顔の肉が、いつのまにか、ゆるんで来る。――と、また急に、老婆は、生き生きと、しわだらけの顔をにやつかせて、蛙股《かえるまた》の杖《つえ》のはこび....
二人小町」より 著者:芥川竜之介
想《あいそ》よく)悪い方が好《よ》いのです。同情しずにすみますから。 小町 (生き生きと)ではあの人に行って貰って下さい。あの人はこの世にいるよりも、地獄に住....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
。 「お母さんはどうした?」 洋一は兄を見上ながら、体中《からだじゅう》の血が生き生きと、急に両頬へ上るのを感じた。 「この二三日悪くってね。――十二指腸の潰....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
たんです。」 小僧は早口にこう云った。兎の皮の耳袋《みみぶくろ》をした顔も妙に生き生きと赫《かがや》いていた。 「誰が轢かれたんだい?」 「踏切り番です。学校....
親子」より 著者:有島武郎
んが出て来て、忙しくぐるりの雨戸を開け放った。新鮮な朝の空気と共に、田園に特有な生き生きとした匂いが部屋じゅうにみなぎった。父は捨てどころに困じて口の中に啣んで....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
神ペルレルヴォイネン(Pellervoinen)を呼び寄せ野に種を播かせた。野は生き生きした緑で覆われ、その中から樹々も生い出た。ただ樫樹だけは出なかった。これ....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
多少ともしゃちこばってしまう傾向を持っている。したがって駈け出しの演出者こそ最も生き生きした演技を彼らから抽き出し得る機会に恵まれているというべきであろう。 (....
去年」より 著者:伊藤左千夫
。夫婦の者が深くあいたよって互いに懐しく思う精神のほとんど無意識の間にも、いつも生き生きとして動いているということは、処世上つねに不安に襲われつつある階級の人に....
恐竜島」より 著者:海野十三
あるが移動しているのだ、底をとめていたあるものがとかれた証拠だ」 ラウダの眼は生き生きとかがやいていた。 「わかったケン、僕らがあの洞穴で岩をどかしたね。あの....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
らすが一羽のこってかあかあないていた。やがて春風がそよそよ吹きそめると、なにかが生き生きして来た。にぎやかな歌とさけび声のなかに、氷がこわされる。船にタールがぬ....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
の時はもう次の舟が水煙を上げているのであつた。この光景は活動写真とは思えないほど生き生きした印象を残している。 次に天女の舞のようなダンスがあつた。これは感じ....
謡曲と画題」より 著者:上村松園
情の能面といえども、一度名人の師がそれをつけて舞台へ出ますと、無表情どころか実に生き生きとした芸術的な表情をその一挙手一投足の間に示すものであります。 私の先....
謡曲仕舞など」より 著者:上村松園
いないところに、その真価も特色もあるのですが、それでいて、その底には、張りきった生き生きとした活気が蔵されているものです。私はそこを描写したいと苦心しています。....
情鬼」より 著者:大倉燁子
ですよ。あなたも一緒に行らっしゃい」 夫人は荒原の女豹が獲物を捕える時のように生き生きとした眼を輝かせながら、私を伴れて外へ出た。私はちょっと狐につままれたよ....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
で始めて見たあの美しい土地は、君たちと別れて来たあの時の姿のままにいつも明らかに生き生きと僕のこころに生きている。再び君たちに逢い、そして父なるライン河に挨拶す....