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生く
「生く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
《にが》い顔をしながら、恐しい勢でまた席に復した。自分はその時の毛利《もうり》先
生くらい、不思議な顔をした人を見た事はない。先生はまるで雷《らい》に撃《う》たれ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
を訊ねた、答なのだそうである。
「人生苦あり、以て楽むべし。人間死するあり、以て
生くるを知る。死苦共に脱し得て甚だ、無聊《ぶりょう》なり。仙人は若《し》かず、凡....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
にするとすれば、日常生活に、思慮深い男は到底玉になれない筈である。
我等如何に
生くべき乎《か》。――未知の世界を少し残して置くこと。
社交
あらゆ....
「地獄街道」より 著者:海野十三
、まだ一年と経たないのに十年来の知己よりも親しく見えた。それはどっちも探偵趣味に
生くる者同士だったからであった。しかし正直のところ辻永は私よりもずっと頭脳がよか....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
っても、これを知っている人は非常に少ないと私は信ずるから。東駒の下山道で尋常六年
生くらいの子供二人に出会った。彼等は八合目の人のいない石室に寝て翌朝御来光を拝し....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
弾機を押すと、額のうしろは蓋のように開いた。その蓋の裏には「マリアナが汝に命ず。
生くる時も死せる時も――に忠実なれ」と彫刻してあった。 誰に忠実なれというのか....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
なかった。彼はそれもやめてしまったのであった。 生けるものは死し、死するものまた
生く。 ある夜のことであった。コスモは自分の宝である彼女を見つめていると、彼女....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
。だから、私が始めて私の妻を見たのはずいぶんふるいことで、多分彼女が小学校の五年
生くらいのときではなかつたかと思う。 健康その他 結婚以来、こ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
「無職渡世などと申しているが、お上で許さぬ博奕をし、法網をくぐって日陰において
生くる、やくざもの、不頼漢ではないか!」 「…………」 「そういう身分のその方な....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
には勘当の縁切のと嚇しても、もうその手では行かぬ。あたら男一匹がこれから何をして
生くる身ぞ。八百八町をあばれ歩いて、毎日毎晩喧嘩商売……。このほかに播磨の仕事は....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
しな文学の中には彼等がいかに生きて来たかということは書かれているだろうが、いかに
生くべきかという可能性は描かれていない。桑原武夫が、日本の文学がつまらぬのは、外....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
欠く憾みがある。これを培養充実するには古典の普及に俟つところが多い。古典は永遠に
生く。その普及は、人生の問題においても社会実現の問題においても、常にその根本的解....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
い知性などからは、目をそむけたくなるのである。「我ら人間は、いかに天国を望みつつ
生くるといえども、しかも我らの精神は我ら自身の顔色と習慣とその穴を一にするがゆえ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
二階の青年は大声で「美いところ! 」と叫ぶ。 お染はなおもつづけて、 「強く
生くるも恋のため、煤煙防止も恋のため、可愛い夫のひとり子を、煙のために肺炎で、死....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
待つわが家庭のために人々は争って出来たてのパンを求めている。誠に「人は飯のみにて
生くるものにあらず」「パンなくて何のおのれが新家庭」である。 西洋でブレッド・....