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「生ける屍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生ける屍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
火の鳥」より 著者:太宰治
、不安で、いたたまらない思いでございました。あたしは、ちっとも、鉄面皮じゃない。生ける屍《しかばね》、そんなきざな言葉でしか言い表わせませぬ。あたし、ちっとも有....
人間失格」より 著者:太宰治
たのだ、自分をただ、死にぞこないの、恥知らずの、阿呆のばけものの、謂《い》わば「生ける屍《しかばね》」としか解してくれず、そうして、彼の快楽のために、自分を利用....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
きながら、わけも分からぬ言葉を繰返していた。誰も気が変になったように見え、或いは生ける屍のようにも見えた。 白髪|赭顔《しゃがん》のワーナー博士は、愛用のパイ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
足は――それは多分「黄谷青二」の手足だったらしく、一向に感じないのだった。そして生ける屍に等しい僕の身体を、グングンその悲鳴の発した方角へ引擦ってゆくのだった。....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
は忘れていることです。誰かが聞いても、何にも喋ってはいけません。千鳥さんは当分、生ける屍になっていなくちゃいけないんですよ、いいですか」 「生ける屍――貴下の仰....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
! 凶悪な年なりき。言語道断、死中に活を拾い、生中に死に追われ、幾度か転々。或は生ける屍となり、或は又断腸の想いに男泣きに泣く。而も敗戦の実相は未だ展開し尽され....
正義と微笑」より 著者:太宰治
と明日の試験で、はっきり宣告されたら、どうしよう。僕は、その瞬間から、それこそ「生ける屍」になるのだ。生きていても、意味の無い人間になるのだ。ああ、僕に果して、....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
たのである。世には斯様な事が沢山ある。 トルストイの遺著の中、英訳になった劇「生ける屍」を読む。トルストイ化した「イナック、アヽデン」と云う様なものだ。「暗黒....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
て下さいよ」 「その必要はない。何もかもおれには分っとる。おまけに博士をあんなに生ける屍《しかばね》にしてしまって。……わしの計画は滅茶滅茶《めちゃめちゃ》じゃ....
骸骨館」より 著者:海野十三
厳重な捜査が行われた。だが、やっぱり見つからずじまいであった。終戦直後はみんなが生ける屍のように虚脱状態にあったので、ほんとうにうっかり処分されてしまったのかも....
四次元漂流」より 著者:海野十三
北先生の容態も、あいかわらず意識不明のままで、今は帝都の中心にある官立の某病院の生ける屍同様のからだを横たえつづけている。 こうして一週間ばかりの日がたった。....
火薬船」より 著者:海野十三
も、すすりなきのこえが起った。拳でなみだをはらっている者もある。感激のなみだだ!生ける屍となって、ひめられた或る使命のために壮途につこうという虎船長以下は、はか....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
を打ちつけて僕をぐいぐいと押してゆくので、僕は腕がもう折れそうになったところへ、生ける屍の如きその怪物は死人のような腕を僕の頭に巻きつけて伸しかかってきたので、....
だいこん」より 著者:久生十蘭
、すごく頭がよかった六右衛門さんのパパでさえいっさいの発言権を封じられ、死ぬまで生ける屍のような生活に甘んじていた。六右衛門さんは満州事変がはじまったとき、ちゃ....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
私はフランス、イギリスと遊び歩いていましたが、始終その不安が附き纏って、誠に生ける屍そのものです。何の興味どころか、ただこうして時の経つのを待っているその苦....