生ふ[語句情報] » 生ふ

「生ふ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生ふの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
畜犬談」より 著者:太宰治
なんという無礼、狂暴の仕草《しぐさ》であろう。いかに畜生といえども許しがたい。畜生ふびんのゆえをもって、人はこれを甘やかしているからいけないのだ。容赦《ようしゃ....
富士」より 著者:岡本かの子
の緒ばかり恋ふらくは不二の高嶺《たかね》の鳴沢のごと 駿河の海|磯辺《むしべ》に生ふる浜つづら汝《いまし》をたのみ母にたがひぬ....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
がる。それでなんだな、きさまは今でもあの省作の野郎と関係していやがるんだな。ウヌ生ふざけて……親不孝ものめが、この上にも親の面に泥を塗るつもりか、ウヌよくも……....
田舎教師」より 著者:田山花袋
りをした。ある秋の日、和尚さんは、廂髪に結って、矢絣の紬に海老茶の袴をはいた女学生ふうの娘が、野菊や山菊など一束にしたのを持って、寺の庫裡に手桶を借りに来て、手....
先生への通信」より 著者:寺田寅彦
具を陳列した塔があります。色の青い小さい女が説明して歩く。いっしょに見て歩いた学生ふうの男がこの案内者に「お前さんのように毎日朝から晩まで身の毛のよだつような話....
案内者」より 著者:寺田寅彦
。いったいに病身らしくて顔色も悪く、なんとなく陰気な容貌をしていた。見物人中の学生ふうの男が「失礼ですが、貴嬢は毎日なんべんとなく、そんな恐ろしい事がらを口にし....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
のロマンティシズムをもって現れながら、境遇の人間的な現実は抑えがたくて、 野に生ふる草にも物を云はせばや 涙もあらむ歌もあらむ と詠う真情の新し....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
うちに、一同は唖然とした。というのは、ちょうどそのとき饒舌家の傍に立っていた女学生ふうの女が、いきなり高々と――上げたのである。下には――彼女だった。それが――....
死者の書」より 著者:折口信夫
来た時、馬をぴたと止めて、独り言のように言った。 ……旧草に 新草まじり、生ひば生ふるかに――だな。 近頃見つけた歌※所の古記録「東歌」の中に見た一首がふと、此....
源氏物語」より 著者:紫式部
者が書いてしまえばただそれだけになることである。 今日さへや引く人もなき水隠れに生ふるあやめのねのみ泣かれん 長さが記録になるほどの菖蒲の根に結びつけられて来....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
人なる吾や明日よりは二上山を弟背と吾が見む 〔巻二・一六五〕 大来皇女 磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君がありと云はなくに 〔巻二・一六六〕 同 大....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
け得るか否かは一切自分には判らない。 右のコブナグサであれば、歌の「わがやどに生ふる」にも都合がよく、また「衣《きぬ》にすらゆな」にも都合がよい。 このコブ....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
たとえたものだ。 カキツバタの図 ムラサキ 『万葉集』に「託馬野《つくまぬ》に生ふる紫草衣《むらさききぬ》に染め、いまだ着ずして色に出《い》でけり」という歌が....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
て見よう。(例は専ら川田氏のされた調べに負うている。) うちなびき春さりくれば楸生ふる片山かげにうぐひすぞ鳴く うち靡く春さりくれば笹のうれに尾羽うちふれて鶯な....