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生みの子
「生みの子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生みの子の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
はじめは養いの親であり、次には師であり、年頃になれば睦ぶ配偶でもあった。老年には
生みの子とも見做される情愛が繋がれた。死ぬときには山はそのまま墓でもあった。しか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
こんにちまで相変らずこの商売をいたして居りますが、やっぱり親子の人情で、一日でも
生みの子のことを忘れたことはございません。伜がだんだん大きくなって立派な若旦那に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
七はかんがえた。熊蔵の云うことも馬鹿にならない、家主の威光と大勢の力とで、猫婆が
生みの子よりも可愛がっていたたくさんの猫どもを無体にもぎ取って、それを芝浦の海の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。それがお清という娘で、貰い娘のお安と姉妹のように育てていたが、そうなると人情で
生みの子が可愛い、貰い娘が邪魔になる。といって、世間の手前もあり、貰い娘の親たち....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
武家に多年奉公していた叔母は、自分の甥に芸人のあることを秘していた。ことに自分の
生みの子が当主となったので、猶更それを世間に知られることを憚って、表向きは音信不....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
が、実は生みの親だンね、子爵家の縁故のもんで、子爵家の在亡に係る事だすし、現在の
生みの子の一大事だすさかい、一生懸命だしてな、私もあれからこっち、あんな激しい気....
「殺された天一坊」より 著者:浜尾四郎
すれば父は喜んで私に会ってくれたでしょう。斯様に奉行を間に入れて罪人のように我が
生みの子を取り扱わないでも済んだ筈です。思えば私の父も不幸な人間です。その生みの....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
心も、おのれの心もみな判った。甥とはいいながら師冬は養い子じゃが、おのれは現在の
生みの子で、兄と一致して父に刃向うとは……。おのれも勘当されたいか。」 「現在の....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
越しまして、相変らずこの商売をいたして居りますが、やっぱり親子の人情で、一日でも
生みの子のことを忘れたことはございません。せがれがだんだんに大きくなって、立派な....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
た。 ――あれほどかたく、時の来るまで待てといましめて、三河の一|色郷に隠し、
生みの子の安穏な育ちを、そっと守らせておいたはずの藤夜叉だ。 その藤夜叉が、子....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
が是非ない方向をとらせたのだが、その後悔から、高氏は彼女を鎌倉におかず、またその
生みの子も、嫡系に入れ得ずにある状態なのだ。わけて人知れぬ大望を抱く高氏にすれば....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ら見、いつも何か、これでいいと満足したためしがない。作家とは、人間の子の母以上、
生みの子の育ちへ貪欲を持つものだ、そして盲愛にはなれない母である。 西国落ちの....