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生みの母
「生みの母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生みの母の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て居りますので……」 十右衛門は思い余ったように云った。角太郎の変死については
生みの母の文字清ばかりでなく、その秘密を薄々知っている出入りの者のうちには、やは....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いろにして、死んだ者のようにうずくまっていた。 長い牙を持った因果者の赤児は、
生みの母のお北に引き渡された。市丸太夫は表向きに彼を罪にすべき廉《かど》もないの....
「鮨」より 著者:岡本かの子
前のめりのまま首だけ仰のいて 「お母さあん」 と呼ぶ。子供の呼んだのは、現在の
生みの母のことではなかった。子供は現在の
生みの母は家族じゅうで一番好きである。け....
「苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
の手を軽く遮えぎった。そのやさしい手つきに、俺はふと母親の慈愛を感じた。 俺は
生みの母親を知らなかった。―― お牧婆は、三十過ぎても子供がなかった。人知れず....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
気付きのことだろうと思いますが、いくら私の姉が上手に細田氏のことを隠していたって
生みの母に一度も疑われずに来たというのは随分おかしなことだと思うんですよ。私は此....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
、後に開演中の客席から大声をあげて飛び出して来た若い女がいたがネ、それがなんでも
生みの母親とか云っていたが家出している女らしかった。父親というのは徳島の安宅村に....
「食魔」より 著者:岡本かの子
筋書通りになった不思議さを、ときどき想い見るのであった。 京都に一人残っている
生みの母親、青年近くまで養ってくれた拓本の老職人のことも心にかからないことはない....
「河明り」より 著者:岡本かの子
使い枯らし、僕の知る人生はただ醜い暗いものばかりでした」 生憎なことに、木下は
生みの母より、堺屋の妻の方が多少好きであった。 「堺屋のおふくろさんは、強情一徹....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
裸子のように世の中のたつきも知らず懐より懐へ乳房を探るようにして移って来た。その
生みの母と、育ての父のような逸作と、二人はいまわたくしに就て何事を語りつつあるの....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
。 幼少の時ならば知らず、相当の年齢に達した時には、母と仰いでいる人が、自分の
生みの母親でない場合、その事は、何となく察せられるものではなかろうか。少くとも、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
そんなことを言いながら、右から左からしげしげと私の姿を見まもるのでした。これも
生みの母なればこそ、と思えば、自ずと先立つものは泪でございました。 不図気がつ....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
生みながら、産の病で死んでしまったとは、何と因果なことか……と、わざとらしく私の
生みの母親のことを持ちだしたりなどして、浜子の気持を悪くした。そして、ああこれで....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
れもいつしか過ぎ去った。 鶴見はこういうことを夢みている。今一度童子となって、
生みの母から、魔力にかかった昔々を聞いて、すやすやと長い眠りにつきたい。 厄落....
「食堂」より 著者:島崎藤村
た今となって見ると、年老いたお三輪が自分の心を支える唯一つの柱と頼むものは、あの
生みの母より外になかった。 生きている人にでも相談するように、お三輪はこの母の....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
ります。しかし理解のある人は、決してその娘を憎みませぬ。「彼女は生れながらにして
生みの母の慈愛を知らず、冷たい継母の手に人となったがために、あんな邪推深い、他人....