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生れ故郷
「生れ故郷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生れ故郷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
》と活字を刷った書類を出して、それに広岡|仁右衛門《にんえもん》という彼れの名と
生れ故郷とを記入して、よく読んでから判を押せといって二通つき出した。仁右衛門(こ....
「放浪」より 著者:織田作之助
し身代も譲ってもよいという叔父の肚の中が読みとれていたからであろうか。 叔父は
生れ故郷の四日市から大阪へ流れて来た時の所持金が僅か十六銭で、下寺町の坂で立ちん....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
、懐しい小窓がある。あの外には絵のように美しい西湖が見えるのだ。見たい、見たい、
生れ故郷の西湖を!」 漢青年はムックリ起きようとして、ハッと顔色をかえた。手が....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
歳のときのことであるが、そのとき父についていた身内というのは妾一人だった。しかも
生れ故郷を離れて、妾たちは放浪していたその旅先だった。 前に妾が述べたように、....
「わが文学修業」より 著者:織田作之助
である。 してみれば、私の文学修業は大阪勉強ということに外ならない。大阪は私の
生れ故郷であり、そして私の師である。なお、ほかに、私には気になる作家がある。正宗....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
可能性だ。……ところで、衛門。お前、これから、どうする積り? 瓜生ノ衛門 手前、
生れ故郷の瓜生の山里に帰って、また瓜作りでも始めようかと思います。 文麻呂 え?....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
川家を呪えという、それも洞斎の遺言であったが、いずれはそうしようとも考えながら、
生れ故郷の関川を未だ一歩も出ずにいたのだ。そこへ高田城主の江戸詰と聞き、小さな復....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ってかけがえのないコットン・マザーの著書からいろいろと抜萃し、またそれに加えて、
生れ故郷のコネティカット州でおこった事件をたくさん話したり、彼が夜ごとにスリーピ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
それを知る者もなかった。当の息子のジャンにしたところが、今ではもう自分の名前も、
生れ故郷の村の名も忘れてしまっているに違いない。我が子にめぐり会えるという望みも....
「世間師」より 著者:小栗風葉
私もね、これでも十二三のころまでは双親ともにいたもんだが、今は双親はおろか、家も
生れ故郷も何にもねえ、ほんの独法師だ、考えてみりゃ寂しいわけなんさね。家といった....
「父の葬式」より 著者:葛西善蔵
参りに来たものだが、その後は一度も訪ねてなかった。父も不幸な没落後三十年ぶりで、
生れ故郷の土に眠むるべく、はるばると送られてきたのだった。途中自動車の中から、昔....
「放浪」より 著者:織田作之助
し身代も譲っても良いという叔父叔母の肚の中が読みとれていたからである。 叔父は
生れ故郷の四日市から大阪へ流れて来た時の所持金が僅か十六銭、下寺町の坂で立ちん坊....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
、女は急に今度は調子を変えて、 「私のような世界中を股にかけた、あばずれ者でも、
生れ故郷の恋しさには変りがないんですのよ。だから、こっそりと観光団に交って来まし....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
をしたが、そのうち柳田は死に、藤川は不治の病にかゝって舞台を去り、御園は間もなく
生れ故郷の大阪へ帰って行った。そうして天下は完全に由良のものとなった。東京で「新....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
がふっつり消えると、あたりが急に暗くなる。黒部の大谷では鉛色の雲が稍や暫くの間、
生れ故郷を探しあぐねた放浪の子のようにのろのろ動き廻っていたが、やがて下へ下へと....