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生仏
「生仏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生仏の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
たのは露払いの弥太一です。 「仏だ。仏だ、ああ痛え! おお痛え! いいえ、旦那は
生仏《いきぼとけ》でござんす。悪態《あくたい》ついた野郎を憎いとも思わねえで、御....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
はその老僧から、飯山の古い城主の中には若くて政治的生涯を離れ、僧侶の服を纏い、一
生仏教の伝道に身を委ねた人のあったことを聞いた。又、白隠、恵端、その他すぐれた宗....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
水正は、かしこまって、 「そのほか、慈眼大師《じげんだいし》の銅製《どうせい》誕
生仏《たんじょうぶつ》、釈尊《しゃくそん》苦行《くぎょう》のお木像《もくぞう》、....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
鶴喜《つるき》であった。一時|喧伝《けんでん》された奥州佐久間の孝女お竹なる者が
生仏として霊験をあらわすという談《はなし》を前篇四冊後篇三冊に編んだもので、三馬....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
ざいます」 白「はゝア、お前は良石和尚と心安いか、あれは名僧だよ、智識だよ、実に
生仏だ、茶は其処にあるから一人で勝手に汲んでお上り、ハヽアお前は侍さんだね、何歳....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
その毒水禅師というのが、修行者の間には悪辣なる大羅漢だが、一般の善男善女の前には
生仏《いきぼとけ》と渇仰される
生仏だから、仏の一種に相違あるまい、その仏を迷わせ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うのは、ともかくもこのお婆さんと同じ郷里にあって、そうしてその上人様が世にも稀な
生仏《いきぼとけ》のような徳の高い坊さんであったということは想像されるのです。 ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
生である。かくして耀かしい学芸の創造と興隆が現世に約束される。 観るが好い。誕
生仏は裸身であってまた金色の相を具え、現実であってしかも理想の俤を浮べる。 創....
「九条武子」より 著者:長谷川時雨
け》になり、子爵と定まり、伯爵となったが、それだけでも門徒には大打撃だったのだ。
生仏《いきぼとけ》さまの血脈《おちすじ》が、身分が定まってしまったのだから、信徒....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「――天上天下|唯我独尊」 いつまでもご苦労さまに、沢庵が真面目くさって、誕
生仏の真似して見せているので、お通は、 「ホホホ、ホホホ。よく似あいますこと。沢....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ないだけに、わしよりは、素裸じゃな。法門に住んで怖いのは、人を、ややともすると、
生仏かのように、崇めこむことじゃよ」 ふたりが、話に熱しているまに、いつか、膳....
「三国志」より 著者:吉川英治
い装いを見て喧々と吠えかかる。 ――と、山荘の内から、ちょうど真っ黒な金属の誕
生仏そっくりの裸の童子が飛びだして来て、犬を追い叱りながら、 「小父さんは蜀の丞....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
殿の前に、花御堂が作られてある。少年の日から何十年ぶりで、その竹の柄杓を取り、誕
生仏の頭から甘茶を注ぎまいらせる。ぼくら凡俗には、道心の方は、とても見込みなし、....