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「生傷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生傷の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
喉も、手も、米の粉でも塗ったようにザラザラとなる、その上に、剛い笹ッ葉で、手足が生傷だらけになって梓川の本谷――それは登るときに徒渉したところより、約十町の川上....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ゆかれない。その報いはいつまでも続く。たといその児は恕してくれても、子守の心は一生傷つくであろう。それに恐ろしいことには一人の運命が狂い出すと、その周囲の人々の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。その禿というのは、天性、毛髪が不足しているというわけではなく、相当の期間以前に生傷《なまきず》であったものが癒着《ゆちゃく》して、この部分だけ毛髪がなくなって....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
な処にいても、酒を飲む人は嫌い。……湯島天神に家を持っていたんですが、私、一と頃生傷が絶えたことがなかった。……そんな風だから、私の方でも、終には、『あゝもう厭....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のこと、子供らの不正、夫人の不正、両親の不正、それから――よく理解できないがただ生傷のように感ぜられたことであるが――彼があれほど誇りにしていた両親が意地悪い軽....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
数坂峠という山又山を歩いて居りますも、家に居れば母親おかめに虐められまして、実に生傷の絶える事がないくらいの訳ですから家にとては居りませんで、馬を引いて歩きなが....
少年・春」より 著者:竹久夢二
せながら、母様の横顔を見ていた。 「まあ汚い児だねえ」と仰言って、母様はあなたの生傷のついてる真黒な膝を洗っておやりになった。そして綺麗になったところで、いつで....