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生写し
「生写し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生写しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
ず感嘆の声をあげる。) 頼家 おお、見事じゃ。よう打ったぞ。 五郎 上様おん顔に
生写しじゃ。 頼家 むむ。(飽かず打ち戍る) 僧 さればこそ言わぬことか。それほ....
「鬼涙村」より 著者:牧野信一
依ったものに違いなかった。伜《せがれ》の松二郎がまた性質も容貌《ようぼう》も父に
生写しで「障子の穴」という渾名であった。 眼のかたちが障子の穴のように妙に小さ....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
倍大に当る等身大の座像をグングン捏ね上げ初め、十数日後には、筆者等が見ても故人に
生写しと思われる程の手法鮮かな、生けるが如き原型を作り上げた。それから毎晩半徹夜....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
。 自分の姿絵を小僧の手から受取った札差の老人は、 「よく出来た。そっくり俺に
生写しだよ。これだったら三年かかったのに、少しも無理はないはずだ。」 と言って、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なく申してみるがよい」 「左様ならば申し上げてしまいまする、あの女の子は奥方様に
生写しでござりまするな」 「そうか、拙者《わし》もそう思うたからそちに聞いてみた....
「死者の書」より 著者:折口信夫
もう、二十幾年にもなるかいや――筑紫で伐たれなされた前太宰少弐―藤原広嗣―の殿に
生写しじゃ、とも言うがいよ。 わしには、どちらとも言えんがの。どうでも、見たこと....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
ぁいつもお前が好きだった、お前がな。元気な小僧だし、己の若くっていい男だった時に
生写しだからよ。いつも己はお前が仲間に入ってくれて、紳士で死んで貰えてえもんだと....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
かった。そして、その使いに行っている時には、彼の倅が彼の代理をした。彼にそっくり
生写しの、十二歳になる、人相の悪い腕白小僧だ。世間の人々は、テルソン銀行が大まか....
「接吻」より 著者:神西清
恰好のいい老婦人で、眉毛の黒い面長な顔をしているところは、ウージェニー皇后〔〕に
生写しだった。愛想のいい、しかも威厳のある微笑を浮べながら、お客様がたをわが家へ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ると、ちょっと見ばえがする。なかんずく、右手から二番目にいるのなんざあ、あなたと
生写し。いわゆる御落胤《ごらくいん》とでもいったようなものなんですかな。ほれほれ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
らずの金三郎の身の上話。うまく持ちかけて盛り殺し、陜西《シェンシー》お蓮がお米と
生写しなのをさいわいに四人がかりの大芝居。寧波《ニンパオ》のお時を小間使に化けさ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
どもめ、なんとも胆《きも》がつぶれたか。……これ六平や、そなたは路考《ろこう》に
生写し、好《す》いたらしいの総浚い。陸尺などにはもったいない。身分に上下のへだて....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
っくりそのまま採りいれてつかってしまうことにやぶさかでなかった。何から何まで圓生
生写しの建築が、やがて小圓太というプンと木の香の新しい材木で仕上げられた。 「い....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
の規律正しいモデスト・アレクセーイチであるが、その顔までがどうやら女学校の校長に
生写しであった。 アーニャの想像のなかでは、これらの恐怖のさまざまな姿がとうと....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
は別人のような鋭さがあったので、本庄は思わず驚愕の眼を瞠った。よく似ている、全く
生写しだが、人間は違うようだ、たしかにこれは宮岡警部ではない、偽物に違いないが、....