生別[語句情報] » 生別

「生別〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生別の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
い体を横たえていた。これは彼女もとうの昔に、覚悟をきめていた事だった。前の犬には生別《いきわか》れをしたが、今度の犬には死別《しにわか》れをした。所詮《しょせん....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
と眼を見かわしていたが、やがて酒を乞いて汲み交し、譜代の郎党共も呼び、ともに死別生別の杯を汲み交した。 浅井方の悲壮の決心推して知るべきである。これに比ぶれば....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
は手を握る事はできないものでしょうか。 親鸞 互いに気に入らぬ夫婦でも縁あらば一生別れる事はできないのだ。墓場にはいった時は何もかもわかるだろう。そして別れずに....
死生」より 著者:幸徳秋水
果として、何人も漠然死は悲しむべし恐るべしとして怪しまぬに至ったのである、古人は生別は死別より惨なりと言った、死者には死別の恐れも悲みもない、惨なるは寧ろ生別に....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、彼雑木山の一本檜から横に折れて影の消ゆるまで目送した人も少くはなかった。中には生別即死別となった人も一二に止まらない。生きては居ても、再び逢うや否疑問の人も少....
寛永武道鑑」より 著者:直木三十五
兵衛以上に、心の中で、夫と別れる時の事を考えては、苦しんでいた。 その別れは、生別であり、死別であった。戸田の家中の使手として、海道にも響いている夫が、又五郎....
球根」より 著者:寺田寅彦
く同じであるとは考えにくい点もないではなかった。 もう一つのわからない事は、平生別に園芸などをやっているらしくもない――堅吉にはそう思われた――甥がどうしてフ....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
けれども、何にも知らない。おなじ写真を並んで取っても、大勢の中だと、いつとなく、生別れ、死別れ、年が経つと、それっきりになる事もあるからね。」 辻町は向直って....
死刑の前」より 著者:幸徳秋水
死は漠然とかなしむべし、おそるべしとして、あやしまぬにいたったのである。古人は、生別は死別より惨なりといった。死者には、死別のおそれもかなしみもない。惨なるは、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
悲劇――が起るんですね。つまり任土貢に売られるものは、親も、子も、兄弟も、みんな生別れです、嫌ということができません」 「それは無理でしょう」 「無理です。それ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
言われたことは今も私の記憶に残って居ります。―― 『一たい恋しい人と別れるのに、生別れと死別れとではどちらがつらいものでしょうか……。事によると生別れの方がつら....
郊外」より 著者:国木田独歩
うと頓着しない。 梅ちゃんは十歳の年から世話になったが、卒業しないで退校ても先生別に止めもしなかった、今は弟の時坊が尋常二年で、先生の厄介になっている、宅へ帰....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
師弟がそれぞれの事情から別れねばならなかったであろう。その中には生木を割くような生別もあるのである。 いったん愛し合い結び合った者は一生離れず終わりを全うする....
南国太平記」より 著者:直木三十五
。八郎太は、眉一つ動かさなかった。小太郎は、すぐ起るにちがいのない、夫婦、母子の生別《いきわかれ》の場面を想像して、心臓を、しめつけられるように痛ませた。 小....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
たが、そこで私は縁の話をさせました。親鸞が「たとい気に入らぬ夫婦でも縁があれば一生別れることはできないのだ。墓場に行けば何もかもわかるのではあるまいか。そして別....