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生命
「生命〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生命の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
新聞だのキャラメルだのを眺めている。これは一介《いっかい》の商人ではない。我々の
生命を阻害《そがい》する否定的精神の象徴《しょうちょう》である。保吉はこの物売り....
「河童」より 著者:芥川竜之介
いうのは亭主を殺すつもりでいたのです。なにしろ亭主は道楽者でしたからね。おまけに
生命保険のついていたことも多少の誘惑になったかもしれません。」
「あなたはその夫....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
」と云った。自分はSさんを二階に招じ、火のない火鉢をさし挟《はさ》んで坐った。「
生命に危険はないと思いますが」Sさんはそう口を切った。多加志はSさんの言葉によれ....
「沼地」より 著者:芥川竜之介
顔をして、ほとんど嬉しそうに微笑した。これが無名の芸術家が――我々の一人が、その
生命を犠牲にして僅に世間から購《あがな》い得た唯一《ゆいいつ》の報酬《ほうしゅう....
「女」より 著者:芥川竜之介
何週間かは経過した。
その間に蜘蛛の嚢の中では、無数の卵に眠っていた、新らしい
生命が眼を覚ました。それを誰より先に気づいたのは、あの白い広間のまん中に、食さえ....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
についていた。彼はこの間話し合った伝熱作用のことを思い出した。血の中に宿っている
生命の熱は宮本の教えた法則通り、一分一厘の狂いもなしに刻薄《こくはく》に線路へ伝....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
の――或は全西洋人の用法を無視した新例である。しかし全能なる「通用」はこの新例に
生命を与えた。「門前雀羅を張る」の成語もいつかはこれと同じように意外の新例を生ず....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は頭に力強く響かぬかも存じませぬが、私どもの時代には、守刀はつまり女の魂、自分の
生命から二|番目の大切な品物だったのでございます。 神様もこの私の願を無理から....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
するのだ。感銘そのものの誤は滅多にはない。「技巧などは修辞学者にも分る。作の力、
生命を掴むものが本当の批評家である。」と云う説があるが、それはほんとうらしい嘘だ....
「墓」より 著者:秋田滋
わたくしの愛人になったのであります。いや、それ以上のものでありました。わたくしの
生命そのものだったのであります。彼女を措いて、わたくしにはもうこの世に何一つ期待....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
銃声の聞えたのは何某氏の部屋だった。ドアを開けてみると借家人の某氏は、われと我が
生命を断った拳銃を握ったまま全身あけに染って打倒れていた。 某氏(五七)はかな....
「初雪」より 著者:秋田滋
病気ははかばかしく快方に向わなかった。深く侵された両の肺は、どうやら彼女の
生命を脅かすようになって来た。 「このままここにこうしておいでになっちゃア、奥さ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
はブロンデルを死刑にした。彼はなぜ自分の五人の子を殺害したのだろう。なぜだろう。
生命を絶つことが一つの快楽であるような人がよくある。そうだ、そうだ、それは一つの....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
スッと突出して来る、というわけで、物情騒然たるものがあった。警察では、もう君らの
生命は保障できないから、警察に来てくれ、と言って来た。そこでわれわれは裏山に逃げ....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
まわる。私はこれはヤラレたと覚悟したが、その時、私服の警官が入ってきて『君たちの
生命は保障できないから、警察まできてくれ』という。私たちは負けてなるものかとがん....