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生埋め
「生埋め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生埋めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藁草履」より 著者:島崎藤村
る。書記は煙管《なたまめ》の雁首《がんくび》で虫を押えたかと思うと、炉の灰の中へ
生埋めにしました。 「先生」と源は放心した人のように灰の動く様を熟視《みつ》めて....
「家霊」より 著者:岡本かの子
ざ冷たい石になることも難かしい」 徳永もその時分は若かった。若いおかみさんが、
生埋めになって行くのを見兼ねた。正直のところ、窓の外へ強引に連れ出そうかと思った....
「食魔」より 著者:岡本かの子
たが、鼈|蒸焼は遣り損じてばかりいるほどの手並だった。鼈四郎は白木綿で包んだ鼈を
生埋めにする熱灰を拵える薪の選み方、熱灰の加減、蒸し焼き上る時間など、慣れた調子....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
いとなってついてきた他の負傷者達も、そこで、急ぐ退却の犠牲となって、片ッぱしから
生埋めにされてしまった。 臨城では、彼は、なだれのように退却する部下の将校をピ....
「惜別」より 著者:太宰治
の子は之を奪う、何ぞこの子を埋めざる、というひどい事になって、その絵本には、その
生埋めの運命の三歳の子が郭巨の妻に抱かれてにこにこ笑い、郭巨はその傍で汗を流して....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
女がその上にのぼって、メリメリと屋根をこわしている。――「このなかに、家族が三人
生埋めになっています。どうか皆さんお手を貸して下さい。浜の家」 三人が生き埋め....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
名だそうで、酔った時はちと云い悪い外題でございますが、生きながら女を土中に埋め、
生埋めに致しましたを土中から掘出しまする仏蘭西の話を、日本に飜して、地名も人名も....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
のであるが、その時広島市の中心より約二千米半径以内にいた者は、屋内では衝撃死又は
生埋めにされたまま焼死し、街路では消滅、焦死あるいは火傷して逃れたまま一週間ぐら....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
裁刑吏らをとりもどし、首吊台、裂刑車、火刑台、吊刑台、耳切りの刑、四つ裂きの刑、
生埋めの穴、生煮の釜、などをとりもどすがいい。千客万来の店として、たえず新しい肉....
「作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
「なるほど伯爵については妙な点があるに相違ないとわしは思っている。でなくば自分を
生埋めにさせるわけはなくまた事実死んだとしたらあんなに慌てて葬らせようとしなくと....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
てた書簡の中で、「いつかは」というその物語の標題を報じており、更に同年三月には「
生埋め」、「黄金の糸」、「ボーヴェーの医師」という標題を挙げている。また、書かれ....
「人造物語」より 著者:海野十三
国では、埴輪人形の昔より、人間や、人間が愛していた動物などの形をつくって、それが
生埋めになることからのがれさせて呉れたのであるが、その後、愛玩物としての人形が発....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
く襟付黄八丈の衣物を着て、黒襦子と紫縮緬の腹合せ帯を締めたまま、後手に縛られて、
生埋めにされて死んでいるのであった。 巡検使の職権で純之進が大吟味を試みた結果....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
や監督の指図を受けながらも、直接その手にコテを掴んで粘土を鉄扉に塗りたくった峯吉
生埋めの実行者は、外ならぬ古井工手ではなかったか。犯人は云うまでもなく同一人であ....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
て感じた限りでは、やはり所謂「人柱」の意味で埋められたものと解する。よしやそれが
生埋めにしたのであったにせよ、或いは自殺し、もしくは自殺して後に埋めたのであった....