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生干
「生干〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生干の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海異記」より 著者:泉鏡花
「ああ、何だか陰気になって、穴の中を見るようだよ。」 とうら寂しげな夕間暮、
生干の紅絹も黒ずんで、四辺はものの磯の風。 奴は、旧来た黍がらの痩せた地蔵の姿....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
ほんとうに霽ったのでは無いらしい。どうやら底にまだ雨気がありそうで、悪く蒸す……
生干の足袋に火熨斗を当てて穿くようで、不気味に暑い中に冷りとする。 気候はとに....
「塩花」より 著者:豊島与志雄
機会を得た。 党からの一寸した挨拶を口実に、波多野未亡人を訪問すると、乾燥芋の
生干しが茶菓子の代りに出た。 「素人作りですけれど、たいそう甘いんですよ。ちょい....
「山吹」より 著者:泉鏡花
ええ、くどい事は、お聞きづろうござりますで。……早い処が、はい、この八ツ目|鰻の
生干を見たような、ぬらりと黒い、乾からびた老耄も、若い時が一度ござりまして、その....
「増長天王」より 著者:吉川英治
久米一の邸の側の日向りに、まだ火も釉薬もかけぬ素泥の皿、向付、香炉、観音像などが
生干しになって乾し並べてあるそれだ。 しかし、これとて、その釉薬、築窯、火法、....