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生息
「生息〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生息の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
は、お絹もかねて聞いていた。林之助は今年|二十歳《はたち》になるけれども、まるで
生息子《きむすこ》のようなおとなしい男であった。おとなしい男とおとなしい女――お....
「新生」より 著者:島崎藤村
るわが心の眼は余りに多き世の中の虚偽を見、何の疑うところもなくその中に平然として
生息する人々を見、耳には空虚なる響を聞きて、かかるものを厭《いと》うの念は更に芭....
「錯覚した小宇宙」より 著者:辻潤
てとげられなかったに相違ない。 自分は近頃、自分の生まれた「日本」という郷土に
生息している「日本人」の正体をハッキリ把んで見たい欲望にかられている。ほんとうに....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
である。 この考えはまた、近代の若干の学者によって唱えられたごとく、現在生物の
生息する地球の部分は、いつかは一度荒廃して住まわれなくなってしまい、また後に再び....
「死生」より 著者:幸徳秋水
のである。 是れ太陽の運命である、地球及び総ての遊星の運命である、況して地球に
生息する一切の有機体をや、細は細菌より大は大象に至るまでの運命である、これ天文・....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
かしたはずみに、材木か何かのなかに紛れこんで、都会へ持って来られたように、自然の
生息そのままの姿態でそれがひとしお都会では幽婉に見えるのだったが、それだけまた葉....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
。 これは、太陽の運命である。地球およびすべての遊星の運命である。まして地球に
生息する一切の有機体をや。細は細菌より、大は大象にいたるまでの運命である。これは....
「恩人」より 著者:豊島与志雄
茂する、そしてその苔は車前草の下葉を地面に吸い附けて、地面と葉との間の狭い空間に
生息する。その葉が枯れると又新らしい葉を吸い附けるんだそうである。そして叔父はこ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
安心することができ、もう逆上することもないであろう。しかし社会は、いかなる方法で
生息するかを考えなければならない。卒中はもはや恐るるに及ばない。しかし肺病はまだ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
レてまわる頃には、浅草は安全な飲み場の一つであった。 いつまでもアンチャン連が
生息横行していた盛り場は、新宿が筆頭で、私もずいぶん、やられたものだ。当時、ここ....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
がほとんど背が立たない。この二三里下流へさがると、日本でたった一ヵ所のツツガ虫の
生息地で、この区域の川へはいると命が危い。もっとも当時は、人々がそんなことを考え....
「地上」より 著者:島田清次郎
れたような悲しみと寂寥を感じる二人であった。 「僕達はこのように多くの人間の間に
生息しながら、曠野へ追放された罪人みたいなものです。僕にはこれが正しいこととは思....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
どの説話が、全く無意識の中に狂気と同時にその人の頭脳の中に一種の強迫観念となって
生息し出し、その説話の命令通りに行為させる。 この時は狐に化かされている時の状....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
始て望ましいものになり、基礎が
出来、永存する。お前を棄てる気になったら、
己の
生息の力が消えても好い。昔己を
悦ばせた、美しい形、不思議な鏡像に
見えて幸福を....
「文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
一層甚だしいといわねばならない。 たゞ然し、最も妥当なる順序は、われ/\の現在
生息しつゝある現代の文学書(論集、小説、詩歌のいずれを問わず)に親しみ、次第に過....