生業[語句情報] »
生業
「生業〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生業の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
官の仕事は出来る。自分で襖《ふすま》を張り替えてそれに書や画もかく。こんなことを
生業《なりわい》として宿々に知り合いが出来るとなおこの街道から脱けられなくなり、....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
であった。これも早くふた親にわかれた不運な孤児《みなしご》で、やはり烏帽子折りを
生業《なりわい》としている叔父叔母のところへ引き取られて、ことし十五になった。叔....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
それは職が尊いのでない。聖徳太子や淡海公という、その人々が尊いのじゃ。かの人々も
生業に、面作りはなされまいが……。 春彦
生業にしては卑しいか。さりとは異なこと....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
その法原の章にいわく、 ここに人あり、同類相集まり同気相求め一地に拠りてもって
生業す、これを国という、しかして国人みなその幸福を享けんと欲すれば、必ず相利して....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
る丘の中腹に歯噛みつき、其処に桑園を拓いて、これまで副業にしていた養蚕を純然たる
生業にした数家族があった。 第三期は、第二期九箇年の後に、一箇年を置いて始めら....
「両面競牡丹」より 著者:酒井嘉七
× あれから、もう、まる一年、分限者の御隠居さまとは、表かんばん、よからぬ
生業で、その日その日をお暮しになっていたとは言いながらも、私には親身のように、お....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
やじさんもやっとのことで暮らしているので、儲かっているのではない。そのじいさんの
生業で、タイがあってイワシがある。これを見てどうすることができますか。これを替え....
「露の答」より 著者:坂口安吾
族なる一部族があり、後世諸国に分散定住し祖神を祀って賀茂神社と称した。この部族の
生業は鍛冶ではなかったか、ということが今日一部の民族学者によって言われております....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
のである。彼女らの生活にふれてみたいのだ。なぜなら彼女らは千年の余、先祖代々同じ
生業をくりかえし、海産物の生態に変化がなかった如くに、彼女らの生態にも変化なく今....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
うしたことであろうかのう。 (眉をひそむれば、おしおは打笑う。) おしお それも
生業じゃ、是非もござりますまい。 玉虫
生業とは……。 おしお え。(口ごもる。....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
姓の子であったが、この時代の生まれだけに弓矢を取りおぼえて、農作の傍らには狩人を
生業のようにしていた。殊に冬季は農作も閑であるので、ほとんど毎日のようにそこらの....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
て蝦夷の旧態のあるものを存し、わずかに野菜を栽培するくらいのことを解せしも、その
生業としては主として狩猟にありしもののごとし。さればその性素樸勇悍にして、君に仕....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
しく思ふを人も哀れと見て、あるいは富家の女婿になれと勧められ、あるいは医を学びて
生業を求めよといさめらる、並々の人ならましかば、老いたる父母の貧しうくらすを看過....
「松園女史の思い出」より 著者:金子薫園
いますが、それには歌も絵も得意のなりわいの麗筆で書いてあります。手づくりの陶器を
生業にしていたことは、『手すさびのはかなきものを持出てうるまの市に立つぞわびしき....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
らばなぜかの残忍なる網打を止さないか。もしこの業があなたの本職なればそりゃどうも
生業のためにやむを得ん事もあろうけれどもただ娯楽の為にするのは実に無残、無慈悲の....