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生死
「生死〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生死の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
しる火花のように、時々心にひらめいた。が、ひらめいたと思ううちに、刻々迫ってくる
生死の危急が、たちまちそれをかき消してしまう。そうして、そのあとにはまた、太刀音....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
。しかし信輔は今日もなおこの小事件を思い出す度に、――この不思議に美しい灯取虫の
生死を思い出す度に、なぜか彼の心の底に多少の寂しさを感ずるのである。………
信....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ますまい。ではとにかく一通り、事情だけは話して見る事にしましょう。しかしそれには
生死を問わず、他言《たごん》しない約束が必要です。あなたはその胸の十字架《くるす....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
沢山残って居りますが、中でも世上に評判が高かったのは、あの良秀《よしひで》が五趣
生死《ごしゅしょうじ》の図を描《か》いた竜蓋寺《りゅうがいじ》の仏事の節、二人の....
「影」より 著者:芥川竜之介
、両手の指を埋《うず》めていた。そうしてその露《あら》わな乳房《ちぶさ》の上に、
生死もわからない頭を凭《もた》せていた。
何分かの沈黙が過ぎた後《のち》、床《....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
した。
「尼提よ。お前は仕合せものだ。一たび如来のお弟子《でし》となれば、永久に
生死《じょうじ》を躍り越えて常寂光土《じょうじゃっこうど》に遊ぶことが出来るぞ。....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
のように執拗《しゅうね》く黙っている。これを見ると、下人は始めて明白にこの老婆の
生死が、全然、自分の意志に支配されていると云う事を意識した。そうしてこの意識は、....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
頭を垂れて、阿闍梨の語《ことば》を、聞きすましているようである。
「よう聞けよ。
生死即涅槃《しょうじそくねはん》と云い、煩悩即菩提《ぼんのうそくぼだい》と云うは....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
だ。我々は何も知らない、いやそう云う我々自身の事さえも知らない。まして西郷隆盛の
生死をやです。だから、僕は歴史を書くにしても、嘘のない歴史なぞを書こうとは思わな....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
、銀河のほとりに起っていることも、実はこの泥団の上に起っていることと変りはない。
生死は運動の方則のもとに、絶えず循環しているのである。そう云うことを考えると、天....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
し。唯《ただ》我等が一念なり。……唯仏法を修行《しゅぎょう》して、今度《こんど》
生死《しょうし》を出で給うべし。源平盛衰記《げんぺいせいすいき》
(俊寛)いとど....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
しじみ》蝶の翼のような帆影が群っているのを眺めると、新蔵はいよいよ自分とお敏との
生死の分れ目が近づいたような、悲壮な感激に動かされて、思わず涙さえ浮めました。で....
「或る女」より 著者:有島武郎
。葉子は泣くにも泣かれないような心になって、苦しい呼吸をしながらもうつらうつらと
生死の間を知らぬげに眠る貞世の顔をのぞき込んでいた。
と、雨だれの音にまじって....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
りし日の姿を現わしたのでした。 『あッ矢張り元の良人だ……。』 私は今更ながら
生死の境を越えて、少しも変っていない良人の姿に驚嘆の眼を見張らずにはいられません....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
が、床の上にひれ伏したまま、嗄れた声を挙げた時には、妙子は椅子に坐りながら、殆ど
生死も知らないように、いつかもうぐっすり寝入っていました。 五 妙子....