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生殺
「生殺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生殺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奴隷根性論」より 著者:大杉栄
二 勝利者が敗北者の上に有する権利は絶対無限である。主人は奴隷に対して
生殺与奪の権を持っている。しかし奴隷には、あらゆる義務こそあれ、何等の権利のあろ....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
た。 「貴公は、姉弟にいつからでも家へ来いといったそうだが、ただ家へ呼ぶなんて、
生殺しにしないで、ちゃんと女房にしてやったらどうだ」 「はあ……」 「はあじゃ、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
寝付いて居ります」 利八の話によると、番頭と小僧はきょうまで熱が下がらないで、
生殺しの蛇のように蜿うち廻っている。奉公人どもは気味を悪がって誰も寄り付かないの....
「蠅男」より 著者:海野十三
がのべられると、村松検事の無罪説を信じていた帆村たちも、それでも村松検事は塩田先
生殺しに無関係であるとはいえなかった。 (しかし、これは何か大きな間違いがあるの....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
い、七ツか八ツの少年工や少女工までが、蒼くなって、どんよりとした、悲しげな眼で、
生殺与奪の権を握っている日本人をだまっておがむように見るのだった。 賃銀支払は....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
「致しました。どこに悪いところがあるやら、こんなに人気の沈んだことはない。まるで
生殺しに会うているようじゃ。死ぬものなら死ぬように。立直るものならそのように、早....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ぼく、このあいだから、腕がムズムズして仕方がないんだ。だって、このままじゃ、蛇の
生殺しみたいで、気が落着かないじゃないか」 「そら、ぼくかて同じことや」 「そう....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
ぬ。この家にあってはオレの命令は至上であるから、それに従う、返答しても、いかん、
生殺の権もオレにある。食事でも、オレが命令して食べてよし、というまで、食べてはな....
「端午節」より 著者:井上紅梅
は結局一つの閻魔面で、他人は皆奴隷のように見え、自分ひとりがこの見すぼらしい奴の
生殺の剣を握っていると思っている。そういうわけで彼はこの種の人物を見るのもいやだ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ンスは悪化して来ておるわい。わしたちの遠くもない先祖たちは近隣の下民どもに対して
生殺与奪の権を持っておったものじゃ。この部屋からも、たくさんのそういう犬どもがひ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
ちた。しかし主税は眼を閉じていた。 (無理はない)と彼は思った。 (たとえば蛇の
生殺しのような、そんな境遇に置いているのだからなあ) 一月前のことである、松浦....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
歩き、云い争っていた。 「これお浦、どうしたものだ。どこまで行けばよいのだ。蛇の
生殺しは怪しからんぞ。これいいかげんで……」 渋江典膳であった。五郎蔵の賭場で....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
を歩行くのは見えるし……」 刻下、口を衝いて数百言、竹永は我が探訪の職に対し、
生殺与奪の権を握れる、はたかれ神聖なる記者として、その意見に服し、その説に聴くこ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
の父母、五行は天地の用にして、四方四隅に配居して、年々季節運気の循環によりて五行
生殺の座をしく。ゆえに、その気に従うときは恵福をこうむり、その気に逆らうときは禍....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
族家と家属及び平民との関係はほとんど国王と人民との関係のようなもので、その平民を
生殺与奪するところの権利はもちろんその華族に在るんです。またこの華族は平民から人....