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生活形
「生活形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生活形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
伏せ勝ちにして居る。隻脚――だがその不自由さも今はK氏の詩情や憂愁を自らいたわる
生活形態と一致させたやや自己満足の諦念にまで落ちつけたかに見うけられる。けれども....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
の価値あるものというものをみつけまして、そのもののために自分は死んでもよいという
生活形式になったときに、はじめてわれわれの生活は立命するものであります。 けれ....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
う。これと同じ状態が三百六十五日繰りかえされるわけである。勿論私はそういう日常の
生活形態に従って、今迄の自分の生活の型を清算し、今ではそれに慣れている。然し留置....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ようであるが、洗煉されたものよりも粗野の方へ、デリケートなものよりも無神経の方へ
生活形態の方向を推し進めようとしていることは争えない。 それは軍部が言論同様、....
「青春論」より 著者:坂口安吾
何かまだ一人前ではないというような考え方で、それは実際男と女の存在する人間本来の
生活形態から云えばたしかに一人前の形を具えておらぬかも知れぬけれども、たとえば平....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ろに、おたがいの生活設計の意義があるんだ。何も世間をあっと言わせるような、珍しい
生活形式を強いて作りだそうというのではない。形式は、むしろ平凡なほうがいい。その....
「兄たち」より 著者:太宰治
ば、おれは、めしを食うとき以外は、生きていないのである。ここに言う『めし』とは、
生活形態の抽象でもなければ、生活意慾の概念でもない。直接に、あの茶碗一ぱいのめし....
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
、少し落ちついてから、いまの日本の政治や経済の事は考えず、もっぱら先刻のお役人の
生活形態に就いてのみ思いをめぐらしていた。 あのいまのひとの、ヘラヘラ笑いは、....
「酒の追憶」より 著者:太宰治
憶、もしくは、酒についての追憶ならびに、その追憶を中心にしたもろもろの過去の私の
生活形態についての追憶、とでもいったような意味なのであるが、それでは、題名として....
「建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
の民主政治を体現せられることになるのである。上代の部族組織、令の制度の下における
生活形態、中世にはじまった封建的な経済機構、それらがいかに変遷して来ても、その変....
「日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
。だから日本の国家が家族国家であるというような考は、その本質のちがっている二つの
生活形態である家族の結合と政治的権力による国家の統治とを混同したものである、とい....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
し、生活体の形態――それが個体である――が直ぐ様生命現象なのではない。生命現象は
生活形態(Lebensform)ではなくて生活過程(Lebensprozess)....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
主的な思想発表活動をしながら食って行けるかどうかなのだ。 処でジャーナリストの
生活形態には二つの極端なタイプがある。一つは今日の新聞記者(所謂「ジャーナリスト....
「聖女人像」より 著者:豊島与志雄
鑿するほどの価値を持たない。ただ、結婚というものは女にとって、生涯に一度は必要な
生活形式であるかも知れないが、男にとっては必ずしもそうでない。現在の如き社会では....
「李陵」より 著者:中島敦
えるだけの精力を貯《たくわ》えることができない。固定した家屋を築かないのも彼らの
生活形態から来た必然で、頭から低級と貶《けな》し去るのは当たらない。漢人のふうを....