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生活環
「生活環〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生活環の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
ついて語ろうとするのは、何もそれが楽しい思い出になるからでもなければ、現在の彼の
生活環境に差し響きをもっているわけでもないようだから、そっと抽出しの隅っこの方に....
「秋と漫歩」より 著者:萩原朔太郎
、夏の暑さがしのげないのだ。)日本の気候では、ただ秋だけが快適であり、よく人間の
生活環境に適している。 だが私が秋を好むのは、こうした一般的の理由以外に、特殊....
「新しい卒業生の皆さんへ」より 著者:宮本百合子
帰朝者という人は、こういう若い女性のいじらしい大努力に立つ計画性にはふれていない
生活環境にいるのでしょう。彼の周囲には、ぐちをいいいいプカプカたかいタバコをすっ....
「あとがき(『伸子』)」より 著者:宮本百合子
無産階級文学の運動もおこっていた。けれども作者は直接そういう波にふれる機会のない
生活環境にあった。「伸子」には、日本のそういう中流的環境にある一人の若い女性が、....
「意欲の窒息」より 著者:豊島与志雄
だ。没落した家系の裔らしいはかない美しさだ。一つはこれはブルジョア的な少女時代の
生活環境の影響だが、皮下脂肪の沈澱がないので、見かけはからだも手脚も男の子のよう....
「広場のべンチ」より 著者:豊島与志雄
出していたのである。戦闘、敗戦、俘虜、内地帰還、離散した家族、物資の闇取引など、
生活環境の激変は、過去の一切を忘却の淵に埋没させるに好都合だった。然し、その忘却....
「男女の交際について」より 著者:坂口安吾
ようにして行われる。 男女の交際とか恋愛とか、そのようなものは各人がその個性と
生活環境に応じて行うべきもので、フヘン的な法則などは有るべきものでなく、それ故に....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
何もかも欠けているから、特に必要なものがなかった。無ければ無いで、まにあうような
生活環境がちゃんと組み上っているものだ。全部を変える以外には、それに多少つけ加え....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
誰がいいうるのか。ひとり祖先からつたわる血や天分だけではない。物ごごろつくまでの
生活環境だって同じだ。苗の時に曲げられた木の幹を、誰が完全に真直にすることが出来....
「光は影を」より 著者:岸田国士
れは、たゞ、どちらがいゝかという別の問題で、まだ安静を必要とする患者を、旅行とか
生活環境の急変とか、そういう、直接、容態に影響する悪条件の下に、強いておくことは....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
を与える人がいくたりかいるというわけのものではありません。一にも二にも、それは、
生活環境であり、雰囲気であり、自己の訓練です。 近頃の大学には、教養学部とやら....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
国防の充実と云う特殊の任務を逸脱して、一般国政に容喙するならば、その過去と現在の
生活環境とよりして、決して充分の資格条件を具備するものと云うことは出来ない。軍人....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
鍋にガラガラ鳴って当るのである。前の「我を厭《いと》ふ」の句と共に、蕪村の侘しい
生活環境がよく現われている。ユーモラスであって、しかもどこか悲哀を内包した俳句で....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
り、自分もかつて鬼筋に関連して民族と歴史の誌上で説明した事があった。彼らは里人と
生活環境を異にして、風俗習慣その他に相違するところが多かったが為に、往々筋の違っ....
「サラダの謎」より 著者:中谷宇吉郎
る。 ものの好き嫌いなどというものは、たいてい子供の頃か、せいぜい二十代までの
生活環境できまるものらしい。私がこのサラダを好きになったのは、若い頃、もう三十年....