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生皮
「生皮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生皮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
違いない。彼等は胴から上の筋肉を逞《たくま》しく露《あら》わして、大きな足に牛の
生皮《きがわ》を縫合せた堅《かた》い靴を穿《は》いている。蒸した豆を藺《い》で囲....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来て、儲けは三人が三つ割にする約束で、夜ふけに熊の死骸を高輪の裏山へ運び出した。
生皮をあつかうのはむずかしい仕事であるが、伝吉は少しくその心得があるので、焚き火....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
この苦しみに輪を掛けた新聞で読んでさえ頭の髪の弥竪そうな目に遭おうも知ぬ。随分|
生皮も剥れよう、傷を負うた脚を火炙にもされよう……それしきは未な事、こういう事に....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
針を用いて自分の全身を隙間なく突き刺して、熱血淋漓たる時、一方の狗熊を殺してその
生皮を剥ぎ、すぐに自分の肌の上を包んだので、人の生き血と熊の生き血とが一つに粘り....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
っしゃるのも御無理はねえ、これなら下手な熊の皮より、よっぽど大したものだ。殿様は
生皮《いきがわ》を剥《む》けとおっしゃるが、このくらいの奴に荒《あば》れられると....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
んでした。そこで米友は畳みかけて、 「それもお前、普通の遺身《かたみ》と違って、
生皮なんだろう、それをお前、欲しがって離れられねえというのは人情だろうじゃねえか....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
れたにもかかわらず、彼は自分の信仰を裏切ることを肯《がえ》んじないで受難を選び、
生皮を剥《は》がれながら、キリストをたたえて、従容《しょうよう》として死んでいっ....
「イワンの馬鹿」より 著者:菊池寛
来い。そしてあいつ等を仲たがいさせるまでは決して帰って来るな。でないとお前たちの
生皮を引むいでしまうぞ。」 小悪魔たちは早速ある沼地へ行って仕事について打合せ....
「藤九郎の島」より 著者:久生十蘭
ろ、五十二日目に船底に使うのに恰好な厚い樟《くす》の板がうちあがってきた。丸木は
生皮を剥いで水に漬け、貝殻を焼いて漆食《しっくい》をこしらえた。時化こそはなによ....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
囲炉裡の煙で痛めたらしかった。その多くの汚い眼の中に、壁の際の、そこには、木鼠の
生皮が竹釘で打付けてある、その上部の穴からして、ジッとこちらを凝視している一つの....
「おせん」より 著者:邦枝完二
根の外でうろうろしちゃァいねえからの。――それ見な。鬼童丸の故智にならって、牛の
生皮じゃねえが、この犬の皮を被っての、秋草城での籠城だ。おかげで画嚢はこの通り。....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
ちたる今の姿は、唯凄愴いものに見られた。身には縞目も判らぬような襤褸の上に、獣の
生皮を纏っていた。其の風体が既に奇怪であるのに、更に人を脅かすのは其窪んだ眼の光....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ました。
その翌日ですがヤクは毎日午後二時頃から沢山殺すのですから、そのヤクの
生皮を三枚ばかり買って来ました。それは私共が行って買うのではない。皮仕事をする人....
「アイヌ宗教成立の史的背景」より 著者:知里真志保
どにたわむれた後、締め木にかけて殺され、皮を剥がれた後、その生々しい血のしたたる
生皮を一人の男――これには少しばかり頭の鈍い男が選ばれる――が身に纏うて、あらた....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
を古く或いは「細工」と言ったのは、皮細工人ということです。その皮細工人の中でも、
生皮を扱うものは穢があるというので、遂に穢多の仲間になってしまいました。されば彼....