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「生硬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生硬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
世相」より 著者:織田作之助
いて来たせい許りではなかろう。 「先日聴いた話ですが」と語りだした話も教師らしい生硬な語り方で、声もポソポソと不景気だった。 「……壕舎ばかりの隣組が七軒、一軒....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
大皿を取り出した。直径が二尺近い盞形をしたもので、外側には露西亜ビザンチン特有の生硬な線で、アイ※の字なりに彎曲して、後肢と尾とで皿を支えている。そして、そのく....
言語体の文章と浮雲」より 著者:幸田露伴
した事は少からぬ震動を世に与えて居りました。勿論あれが同じあのようなものにしても生硬粗雑で言葉づかいも何もこなれて居ないものでありましたならば、後の同路を辿るも....
読書法」より 著者:戸坂潤
。三氏の訳の方は収められた論文の数も遙かに多く、訳文も場合によっては地味に過ぎて生硬であったりするので、あまり読み良くはない。――だが実をいうと、私にはこういっ....
写生紀行」より 著者:寺田寅彦
させる人ばかりだったら、字を見なければわからないあるいは字を見ても読めないような生硬な術語などをやめてしまって、もう少し親しみのあるものに代える事ができそうであ....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
争闘をしてそれに秩序をあたえるところの強い精神」だと規定するかと思えば、もう少し生硬な文士はマイノングの対象論をまで持ち出して、純粋という言葉の説明を与えようと....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
科学というと何かギルド風にきまったテーマの選択や解決法があってそれから又無意味に生硬な言葉や気取った紋切型のいいあらわしで書いたり喋ったりすることでもあるかのよ....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
あったからではない。寧ろそれが抽象的な論理的合理性をさえ有っていないからなのだ。生硬な造語や文法的な杜撰はその一徴表にすぎなかったので、その根柢にある観念そのも....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
ン宮殿の外壁と劇場広場の鳩とに、資本家のない国はあたらしいダイナモのような力と、生硬と、自己期待と、宗教的感激とをもって沈黙のうちに運転している。 この、地球....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
特にそのため、前の晩にホテルの寝台で読んで来た、政治哲学めいた翻訳書の知識から、生硬な二、三の問題を出して、彼を苦笑させたりしてはなりません。ベニイは、彼の有名....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、色彩の配列がよくないことを容赦なく指摘し、これはスイス趣味であり、ホドラー流の生硬《せいこう》平凡な雑色だとした。そのうえ彼は自然にたいしては、全然|衒《てら....
津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
注意していた。その作品がどれほど自分の嗜好からは厭なと思うものでも、またあまりに生硬と思うものでも、それにかかわらず一種の愉快な心持をもって熟視する事が出来た。....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
います。 こうみて来ると、なるほど、わが「新劇」だけには、在来の「翻訳調」なる生硬なお談義以外、われわれの耳に快よく響き、「考えさせる前に感じさせる」ていの、....
猫と杓子について」より 著者:織田作之助
的な文章を書く人の言葉づかいは、科学的か医学的か政治的か何だか知りませんが、随分生硬でどぎついような気がしますね。そうでしょう……? 言葉といえば、「猫も杓子....
絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
は紙本、生絹よりは涸らした絹、どうさ引よりは湯引、という関係がある種の柔かい味と生硬な味とを材料そのものからして持っているように思われます。 今日のようなスピ....