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「生粋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生粋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
くらいではだまされてはいませんよ。倉地さん、どんな美しい方《かた》です。アメリカ生粋《きっすい》の人ってどんななんでしょうね。わたし、見たい。あわしてくださいま....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
どっこ》の気概が契機として含まれている。野暮と化物とは箱根より東に住まぬことを「生粋《きっすい》」の江戸児は誇りとした。「江戸の花」には、命をも惜しまない町火消....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
二十八で、どっちも同じ江戸者でした。ああいう稼業には上方者が多いなかで、どっちも生粋の江戸っ子でしたから、自然おたがいの気が合って、兄弟も同様に仲がよかったんで....
親子」より 著者:有島武郎
処までも謹恪で細心な、そのくせ商売人らしい打算に疎い父の性格が、あまりに痛々しく生粋の商人の前にさらけ出されようとするのが剣呑にも気の毒にも思われた。 しかし....
妖術」より 著者:泉鏡花
した乗客の中へ島田が隠れた。 その女は、丈長掛けて、銀の平打の後ざし、それ者も生粋と見える服装には似ない、お邸好みの、鬢水もたらたらと漆のように艶やかな高島田....
幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
さったことがございませんでした。 ……申し忘れましたが、奥様は、旦那様と違って生粋の江戸ッ子で、御実家は人形町の呉服屋さんで、かなり盛んにお店を張っていらっし....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
ので、例を出すことも出来ないほどです。鮨売の粋な売声では、例の江※の鮨売などは、生粋の江戸前でしたろう。この系統を引いてるものですが、治郎公のは声が好いというだ....
火薬船」より 著者:海野十三
もこれも中国語をよくあやつる。しかしそのうち八名を除いて、のこり四十名はいずれも生粋の日本人でございます。そこに立っております高級船員たちも、どこから見ても中国....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
士一同、一人のこらず所持しておる、大丈夫じゃ。……そればかりでなく、駿河守殿は、生粋の佐幕派、それに、城兵も多数居る。……人数にも兵器にも事欠かぬ。……だから君....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
から前回に述べたような現実の心づかいは実にやむを得ない制約なので、恋愛の思想――生粋精華はどこまでも恋愛の法則そのものに内在しているのだ。だからかわいたしみった....
大阪の可能性」より 著者:織田作之助
ごまだらだらと喋っているという効果を出しているし、大阪弁も女専の国文科を卒業した生粋の大阪の娘を二人まで助手に雇って、書いたものだけに、実に念入りに大阪弁の特徴....
わが母を語る」より 著者:上村松園
へはお薄と、全部配って挨拶しました。母は、こんなずばっとしたことを時々やります。生粋の京娘 けれど一方世帯持ちは実によいのでした。こんな話をすると人は何と思わ....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
気の利いた里人をも使役して大尽になりすます。しかし幾ら大福長者になったからとて、生粋の山子筋であっては幅が利かぬ。ただに配下や近隣の人々に対して威を示すに不足な....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
民謡が、昔からの八丈の古謡として入れられてあったことです。向うで歌っていたので、生粋のしょめ節の唄と思いちがえたでしょうが、こうした例はいくらもあるでしょう。で....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
お碗」との区別を知らず、富豪にして「清元」と「長唄」とを混同し「歌沢」「新内」の生粋を解せずして、薩摩琵琶、浪花節の露骨を喜び、旧劇の渋味をあざけりて壮俳の浅薄....