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生紙
「生紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
もしそうな人が好きですの。そして、もっと綺麗に暮していけるような人でなければ、一
生紙をすいたり、金の利息の勘定してるのはつくづく厭だと思いますわ」
十三
....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
てよこした旧作新作とりまぜの半蔵が歌稿なぞをも枕もとに取り出した。その認めてある
生紙二つ折り横|綴じの帳面からしていかにもその人らしく、紙の色のすこし黄ばんだ中....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
ですか。」 初阪は出所を聞くと悚然とした。我知らず声を潜めて、 「知ッてる……
生紙の紙袋の口を結えて、中に筋張った動脈のようにのたくる奴を買って帰って、一晩内....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
朝日新聞の記者で、さっそくそれを新聞記事にして「秋山さんいずこ。命の恩人を探す人
生紙芝居」という変な見出しで書きたてましたので、私はこれは困ったことになったわい....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
したことを悔《く》いていない。わたしは平生《へいぜい》草稿をつくるに必ず石州製の
生紙《きがみ》を選んで用いている。西洋紙にあらざるわたしの草稿は、反古となせば家....
「書を愛して書を持たず」より 著者:小川未明
の時代でもよく売れるということは明かであります。 これに較べると、昔の和本は、
生紙を使用して木版で摺られている。そして、糸で綴られていて、一見不器用だけれど、....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
ないでしょうか。 静岡県でも和紙の仕事が見られます。志太郡|朝日奈の如きはよい
生紙の産地でまた周智郡|鍛冶島などにも仕事が続きます。 伊豆の国は名にし負う温....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ためてみると、案のごとく、金はなかったが、一通の手紙が中に潜んでいた。 丈夫な
生紙の二重封じ、しかし、その封じ目は破れていた。お綱が読んだものらしい。 ――....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
見ひらいて、竹縁から庭下駄をはいた。そして、元の窓へ返ってきてよく見ると、西判の
生紙に美女の顔が描いてある。絵には違いないが、雅味も線の妙味もなくて、おそろしく....