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「生色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
夏が暑くなければそれこそ大変! 米も出来ず、果実も実らず、万事|尽《ことごと》く生色《せいしょく》を失う事となる。夏の暑いのがそれほど嫌な奴は、勝手に海中へでも....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
に 意外なる第二の怪事件突発に調査団員も護衛艦隊の乗組員も共に、大驚愕のうちに生色を失った。おお、吾々は気が確かであろうか。吾々は夢を見ているのではなかろうか....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
体とが、到るところに見出された。その間に、彷徨う市民たちは、たった一晩のうちに、生色を喪い、どれを見ても、まるで墓石の下から出て来たような顔色をしていた。 風....
赤外線男」より 著者:海野十三
赤外線テレヴィジョンも何もなかった。窓という窓は明け放された。室内の一同の顔には生色がなかった。 「赤外線男!」 「ああ、あいつの仕業だ」 いまにも自分の身体....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
の方に伸び、黒い布を握った。ずるずると覆面は剥がれていった。そして果然その下から生色を失った一つの顔が出て来た。ああ、その顔、その顔、蝋のようなその顔の、その頬....
蠅男」より 著者:海野十三
課長をはじめ山ノ井、小松などという選りすぐりの用心棒が駈けつけた。総一郎はすこし生色をとりかえした。 警察への使者には、田辺課長が立った。 彼は新聞紙利用の....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た。すると、そこに何事か異常なものが予期されてきて、二人の顔に、なかば怯々とした生色が這い上っていった。法水は静かに云った。 「実を云うと、ディグスビイの秘密記....
地獄の使者」より 著者:海野十三
ポケットから南京豆をつまみ出してぽりぽりやる者もあった。お茶が配られると、一同は生色を取戻した。なにしろ厄介な事件である。一体どこへ流れて行くのか分らない。帆村....
地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
ね」 「うん、とにかく、もっと前進をしてみよう、前進!」 パイ軍曹のかおにも、生色が、よみがえってきた。地底戦車は、ふたたび、轟々と音をたてて、前進をはじめた....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
敷より休息の室に開きける時、介添の婦人はふとその顔を見て驚きぬ。 面貌ほとんど生色なく、今にも僵れんずばかりなるが、ものに激したる状なるにぞ、介添は心許なげに....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
鬱々と暮らして、あたかも樹木が石だらけの乾枯びた土のなかで静かに枯死するように、生色なく、生気なく、しだいに自分のからだを衰弱させて行った。彼を注視している者の....
道成寺(一幕劇)」より 著者:郡虎彦
出でし苦悶の声と、交々にたえだえにきこゆ。 場に残れる三人の僧徒らは、ことごとく生色を失い、なすことを知らざるさまにおののきてあり。いまだほどへざるに悲鳴|已み....
決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
ンパイしている。ようやく盆に間にあって帰国でき、ナスの皮の雑炊などに満腹してやや生色をとりもどしたばかりだ。余は彼らを再び戦野に駈り立てるに忍びないのである。余....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
城代を焼き打ちしたのはすなわちこの頃の事である。江戸三界、八百八町、どこを見ても生色なく、蠢くものは飢えた人、餓えた犬猫ばかりであったが、わけても本所深川辺りは....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
洗いにゆくと、目に入るものは、赤錆いろの鉄分の強い坪ばかりの池の水と、萎えきって生色のない八つ手の一、二本である。 * 二時頃になって、庄亮が、....