生苦[語句情報] » 生苦

「生苦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生苦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仙人」より 著者:芥川竜之介
にして、乞丐《きっかい》をして歩くかと云う事を訊ねた、答なのだそうである。 「人生苦あり、以て楽むべし。人間死するあり、以て生くるを知る。死苦共に脱し得て甚だ、....
父帰る」より 著者:菊池寛
産よりも人間のええ方へやろうと思うとる。財産がのうても、亭主の心掛がよかったら一生苦労せいで済むけにな。 賢一郎 財産があって、人間がよけりゃ、なおいいでしょう....
去年」より 著者:伊藤左千夫
るのだ。もっとも僕の今の境遇はちょうど不治の病いにわずらっている人のごとくで、平生苦悩の絶ゆるときがないから、何か他にそれをまぎらわすべき興味的刺激がなければ生....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
い場合、子供が疑念を持ち、それに悩まされ続けるような事があったら、それは子供を終生苦しめるものではないか。然し、或場合には、子供は何の悟る事なしに、何の疑うこと....
」より 著者:徳田秋声
りを出版するその費用の融通を、お増に頼みに来たりした。 「あの人駄目よ。あんた一生苦労しますよ。それよりかあの人と手を切って、今のうち黒田に泣きついて、何とかし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
おいてをや」 囃の稽古を聞いても、こんなことを言い出すものがありました。 「一生苦しんでも出来ぬ奴は出来ん……と言って一心を籠《こ》めて精を出せば僅かの間にも....
王成」より 著者:田中貢太郎
嚢に入れて出発したが、途中で雨に遇って、着物も履物もびしょ濡れになった。王成は平生苦労をしたことがないから弱ってしまった。そこで暫く休むつもりで旅館へ入ったが、....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ないものを救いもせずに、見て見ぬふりをして家路を急いだという自責の念のために、一生苦しむことはなくて済むであろう。つまり、そうするのが、結局、恩師のことばに添う....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
みずから受けられようとしたのである。鶴見はその伝説を思い浮べている。これこそ代衆生苦の御念願である。 鶴見はこれまで重荷にしていた痛苦がこの代衆生苦の御念願に....
悲願に就て」より 著者:坂口安吾
観が飾りなく投げだされてあるのだろうと思われた。つつましくはあるが苛烈な作者の人生苦難が感じられるのである。私は面白く読んだ。 太宰治氏の「逆行」。作者はこの....
勝負師」より 著者:織田作之助
の妻子の苦労や坂田自身の棋士としての運命を懸けた一生一代の対局の最中であった。一生苦労しつづけて死んだ細君の代りに、せめてもに娘にこれが父親の自分が遺すことの出....
若き日の思い出」より 著者:牧野富太郎
一日もその学問から離れたことはなく次から次へと楽しく勉強を積んだわけだ。私ほど一生苦しまずに愉快に研究を続けて来た人間は世間にかなり少ないようだ。それゆえ私は少....
」より 著者:正岡子規
善いのだが、死に神は賄賂《わいろ》も何も取らないから仕方がない。華族様なんぞは平生苦労を知らない代りに死に際《ぎわ》なんて来たらうろたえた事であろう。可哀想だが....
蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
えになったんでございましょう。ジッとお胸にお納めになってどなたにも仰しゃらず、一生苦しんでつまり悶え死遊ばしましたようなものでございます』 『そう仰しゃれば、武....
平凡な女」より 著者:林芙美子
に良人《おっと》と別居生活をしているとか、足袋《たび》のつくろいや洗濯仕事は、一生苦学しているようでつまらないとか、まるで井戸端会議式なことが論じられていたが、....