生薬[語句情報] »
生薬
「生薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
というのはどんな女だ」 「芝口の下駄屋の娘で、兄貴は家の職をしていて、弟は両国の
生薬屋《きぐすりや》に奉公しているそうです」と、源次は説明した。 「よし、判った....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に出っくわした娘は主人の娘かえ」 「いいえ。一軒|隔《お》いて隣りの備前屋という
生薬屋《きぐすりや》の娘さんでございます」と、勘蔵は答えた。「わたくしが人込みの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
めかみ》をおさえながら長火鉢のまえに欝陶《うっとう》しそうに坐っていると、町内の
生薬屋《きぐすりや》の亭主の平兵衛がたずねて来た。 「お早うございます。毎日うっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
鮫洲の金造……。あいつならわっしも知っています。現にきのうも品川で逢いましたよ。
生薬屋の店で何か買っていました」 「金造はどんな奴だ」 「なに、けちな野郎ですよ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、母と共に暮らしていることは、前にもしばしば云った。そのすぐ近所に甲州屋という
生薬屋があって、そこのお直という娘がお粂のところへ稽古に通っているのを、半七も知....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
、左の親指へ当てた。 二十七 病気と称して、引籠ってしまった右源太は、
生薬《きぐすり》屋から買ってきたいい加減の煎じ薬を、枕元に置いて (さあ、困った....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
ん」みたいな子供がもって、とか、そういう驚きであった。家は、木薬《きぐすり》店(
生薬が正しいか)で、西洋流の売薬と、漢薬との混沌期であったらしく、店先に、蜜柑の....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
浪人とは違う。否だと思えばサッサと帰り、いけないと思えば投薬もしない。 「北山先
生薬くだされ!」 「ならぬ!」 と北山は抑え付けた。 一二 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りねえとおっしゃる――ナニ、鉄砲だって?」 米友は屋根の上を屹《きっ》と見る。
生薬屋《きぐすりや》の屋根の上へ火縄銃を担《かつ》ぎ上げたのは、米友も知っている....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
た。 博士も黒田警官も、殆んど死人のように見えましたが、博士の用意してあった回
生薬のお蔭で、極く僅かの時間に、メキメキと元気を恢復することが出来たのだそうです....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
り》を以前の通りにクワイの把手《とって》にしてみましたが、前髪のところに、急に毛
生薬《けはえぐすり》を塗るわけにもゆかないから、熊の毛か何かを植え込んだ妙な形の....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
凧の絵の赤い色は皆な蘇枋というもので描いたので、これはやはり日本橋の伊勢佐という
生薬屋で専売していたのだが、これを火で温めながら、凧へ塗ったものである。その秩父....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
のことを聞いて知っているだろう。彼はみずから宿なしのユダヤ人といい、または不老長
生薬の発見者といい、その他いろいろのことを言い触らしていたので、ある者は彼を詐欺....
「狐」より 著者:永井荷風
に着換る為め、一先《ひとまず》屋敷へ這入る。田崎は伝通院前《でんずういんまえ》の
生薬屋《きぐすりや》に硫黄《いおう》と烟硝《えんしょう》を買いに行く。残りのもの....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
して之を観れば」何ごとも変らないのに違いない。僕もまた僕の小学時代には鉄面皮にも
生薬屋へ行って「半紙を下さい」などといったものだった。 僕等は門並みの待合の間....