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生返事
「生返事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生返事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
」
馬琴は生《なま》返事をしながら、また一服吸いつけた。が、市兵衛はもとより、
生返事くらいに驚くような男ではない。
「いかがでございましょう。そこで金瓶梅《き....
「或る女」より 著者:有島武郎
、
「わたしもそう思うんだがどうだ」
とたずねた。葉子は、
「さあ……」
と
生返事《なまへんじ》をするほかなかった。始めて口をきく幾人もの男の前で、とっかは....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
』とでは、大分違いますよ」 「……ハァ……」 主任は判ったような判らぬような、
生返事をした。博士は尚も続けた。 「ね。馬鹿は馬鹿なりに、それ相応の理解力がある....
「大脳手術」より 著者:海野十三
したあとで、「そうやって、君は何をしているんだ」と訊いた。 「うん」 と、私は
生返事をしただけで、やっぱり前と同じ動作を続けていた。近頃すっかり脂肪のなくなっ....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
場ばかり見える町の風景に、なつかしい瞳を走らせた。 新団長の黒川は、ふーんと、
生返事をしたばかりで、電車の中にぶらさがっているハイキングの広告に、注意をうばわ....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
だった。冗談じゃない……。 「うん」 博士の鼓膜に、その声が入ったのか、博士は
生返事をした。
生返事をしただけで、彼はなおも飾窓の青いペパミントの値段札に全身の....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
士は、この陋巷のどこかに住んでいる筈だった。 2 「ふむ、ふむ、ふむ」
生返事をするばかりで、すこしもはっきりしたことを言わない金博士だった。それも道理....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
に交って、電車を待った。杜はちょくちょくミチミに話しかけたけれど、ミチミはいつも
生返事ばかりしていた。これがゆうべ、あのように興奮して、彼のふところに泣きあかし....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
失敬極まるじゃあないか、え、姉様。」 と詰り問うに、お貞は、 「ああ。」 と
生返事、胸に手を置き、差俯向く。 少年は安からぬ思いやしけむ。 「じゃあ何だね....
「置土産」より 著者:国木田独歩
す。』 『お前はどうして』と問われてお絹ためらいしが 『叔父さんとよく相談してと
生返事をして置きました。』 『そうか』と叔父は嘆息なり。 『叔父さんのご用という....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
て、金銭の悪魔になるわよ。そうしなきゃ、やって行けないわよ」 「そうね」 私は
生返事しかできないのである。ノブ子さんの懊悩は真剣で、実際その懊悩通りに金銭の悪....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
れるではありませんか」 「なるほど。そんなものですかな」 と大伍は気の乗らない
生返事をした。 次にこの部屋の隣りにいて人の出入に注意をくばっていたナミ子をよ....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
これから二人で組頭のところへ行って話そうではないか。」 「むむ。」と、大原はまだ
生返事をしていた。 沈んでいる鐘を福井が確かに見届けたと将軍の前で一旦申立てて....
「光は影を」より 著者:岸田国士
どき妹の方に向けて、洋服地の値段の話などしかけるのを、真喜は、興味がなさそうに、
生返事をしている。 父が突然、誰にともなく、こんなことを言い出す―― 「縁談の....
「米」より 著者:犬田卯
も何か用があってかえって来たのかい。」竃の前から訊ねかけた。 「うむ――」と勇は
生返事した。 勇を北満の開拓にやってもらえまいか、ということは村の青年学校の先....