生酔い[語句情報] » 生酔い

「生酔い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

生酔いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
して、わざと人を押して歩く浮かれた男たちも多かった。その中には喧嘩でも売りそうな生酔いもあった。生酔いの一人は綾衣の前に立ちふさがって、酒臭い息をふきながら穴の....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
く、なんにもせよ気に入った奴だと、一度打ち込めば飲ませたくなるのが、折竹のような生酔いの常。 「どうだ、一杯やるが付き合うかね」 「酒※」と、その男は飛びあ....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
夫という名をよぶ声が耳に這入ったので、小坂さんは何かと思って出てみると、七八人の生酔いが入口でがや/\騒いでいる。帳場のものは小坂さんがなまじいに顔を出しては却....
霜凍る宵」より 著者:近松秋江
るんだ。いつでも対手をしてやる」 私は堪えかねて、母親の方に向き直って言うと、生酔いに酔っぱらった越前屋の婆さんは、眼と眼との間に顔中の皺を寄せて、さもさも気....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
しいから、二三万御奮発なすっちゃ。きっともうけさして上げますぜ」 と本性違わぬ生酔いの口は、酒よりもなめらかなり。千々岩は黙然と坐しいる武男を流眸に見て、「○....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
って、やり過ごしてしまった方がいい……少し避けて通そうとすると、どっこい、二人の生酔いのさむらいが、いい獲物《えもの》と、やにわにお銀様の方に近づいて、その頭巾....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
は間違いないから、兵馬はそう深刻には聞きません。 本性《ほんしょう》のたがわぬ生酔い、人の来る足音を聞いて、それを見かけに、何かねだり事をでも言おうとする横着....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
毒がった。が、最初の心持が彼女の衷心からの感情であった。 「昨宵お前に話したあの生酔いの女が私に云ったことね、それ、私があの人に会って、一週間の延期を頼もうとし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、引込みがつかなくなりました。 江戸時代の御府内に於ての道路の難物は、犬と、生酔いとでありました。その当時は犬に税金がなく、鑑札がなく、また犬殺し家業があり....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のです。蒼白《あおじろ》い面《かお》にしてからが、爛酔の気分は充分だから、わざと生酔いの擬勢をして見せるのではなく、当人は昏々《こんこん》として夢かうつつかの境....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
下から経上《へのぼ》る平山図書さん 浅野の御隠居川勝先生 これらもやっぱり学者の生酔い 漢語交りの言葉を用いて 書附なンぞはよしてもくんねえ 机に向うて詩文の研....
丹下左膳」より 著者:林不忘
山野風雨の旅に汚れきった長半纒《ながはんてん》のまま、徳利を枕に地に寝そべって、生酔いの本性たがわず、口だけはさかんに泡といっしょに独り講釈をたたいているのだっ....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
と笑った。それは例の引きのばしたような、一杯機嫌ながらも、狡猾《こうかつ》さと、生酔いの本性を失わぬ薄ら笑いであった。「ふむ……だが、わしも、いずれはおまえが、....
庶民生活」より 著者:豊島与志雄
見たことを、後々までしつこく覚えてるやつにはかないません。」 「然しそんなのは、生酔いですな。」 「ところが、酔えば酔うほど、その時のことをはっきり覚えてるのが....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
頭だけはやがて来るであろう大掛りな儲け話をあれかこれかと思いめぐらして、伝二郎は生酔いの本性違わずひたすら家路を急いでいた。優しい跫音《あしおと》が背後から近づ....