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生食
「生食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生食の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
れだけでは安らかにはならない。わたしは体《からだ》も丈夫《じょうぶ》だったし、一
生食うに困らぬくらいの財産を持っていたのだよ。しかし一番しあわせだったのはやはり....
「女生徒」より 著者:太宰治
と私も少し驚いて聴いてみたら、お寺の娘はお寺へお嫁入りするのが一ばんいいのよ、一
生食べるのに困らないし、と答えて、また私を驚かせた。キン子さんは、全く無性格みた....
「行人」より 著者:夏目漱石
自分はそれから約一週間ほどというもの、夕食以外には兄と顔を合した事がなかった。平
生食卓を賑《にぎ》やかにする義務をもっているとまで、皆《みん》なから思われていた....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ない。ある人も言ったように、従来|僧侶でさえあれば善男善女に随喜|渇仰されて、一
生食うに困らず、葬礼、法事、会式に専念して、作善の道を講ずるでもなく、転迷開悟を....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
んだって、何も此の世に思い置く事はない、然うじゃないか、お前は己が死んだって、一
生食うに困るような事はねえから心配しなさんな、己はもう何にも此の世の中に楽しみは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
じゃない、この狂言が済めば、それを持って侍をやめる」 「なるほど」 「貴様にも一
生食えるようにしてやった上、うまい酒も少しずつは飲めるようにしてやるつもりだ」 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
た」 五十六 「十四の年、おれが思うには、男は何としても一
生食われるから、上方あたりへ駈落《かけおち》をして一生いようと思って、五月二十八....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
ある。 一体物それ自身の美味は、生《なま》の物に備わって居るに相違ない、だから
生食が自然だというのは、一理窟あるけれども、また半面を忘れた大きな欠陥もある、こ....
「お父さん」より 著者:林芙美子
れたよ。リンゴってうまいもんだねえ。だけど、僕、おうちへかえれればリンゴなんて一
生食わなくてもいいと思ったねえ。おかあさんのことを考えると、むしゃくしゃして来る....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
ど私の好きな人間はいない。 だれでも知つているとおり、源太は頼朝が秘蔵の名馬|
生食を懇望したがていよく断られた。そしてそのかわりに
生食には少し劣るが、やはり稀....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
きながら、おれにくれるべき約束の慰労金を三分の一に値切った。もっともそれとても一
生食うに困らぬくらいの額だったが、おれはなんとなく気にくわず、一年経たぬうちに、....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
うするつもりって、何も考えておりませんでございます」
「その金が手にはいれば、一
生食うに困らんというわけだな」
「はい」
「なぜもっと詳しく話してくれんのだ」
....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
る雑草の飽くなき写生、その植物学的探究、張出窓での百合花やトマトの栽培、野菜類の
生食、ベトオフェンの第六交響楽レコオドへの惑溺というような事は皆この要求充足の変....
「料理メモ」より 著者:北大路魯山人
しているまま食べること。 *豆腐、ねぎ、こんにゃくなど、いっしょにゴッタ煮する書
生食いの場合は別。 *ロース、ヒレはタレをよくつけて鍋で焼く。汁の中に肉を入れる....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
貰になって安子から離れるんだ。僕がいなくなっても、あれだけの屋敷と財産があれば一
生食うには困るまい。食えないようにして捨てたと云われては困るから、何もかも洗いざ....