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生麦
「生麦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
生麦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と、半七はその駕籠屋を呼んで詮議すると、かれらはお角に頼まれて、正体のない島田を
生麦《なまむぎ》の立場《たてば》まで送ったと云うのである。お角も駕籠に付いて行っ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
伺って見ようじゃありませんか」 「御承知でもございましょうが、あのお徳という女は
生麦《なまむぎ》の在《ざい》の生まれでございまして、十七の年からわたくしの家《う....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
近に来た便りがありますか――江戸からでも。」 「さあ、最近に驚かされたと言えば、
生麦事件ぐらいのものです。」 「あの報知はわたしの方へも早く来ました。ほら、横須....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
大きな通行の意味を切迫した時局に結びつけて見た。その月の八日はかねて幕府が問題の
生麦事件でイギリス側に確答を約束したと言われる期日であり、十日は京都を初め列藩に....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
人を疑って交易を妨害する場合がそれであると。 不幸にも、先年東海道川崎駅に近い
生麦村に起こったと同じような事件が、王政復古の日を迎えてまだ間もない神戸|三宮に....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
達ヶ原の納戸でないから、はらごもりを割くのでない。松魚だ、鯛だ。烏賊でも構わぬ。
生麦の鰺、佳品である。 魚友は意気な兄哥で、お来さんが少し思召しがあるほどの男....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
向って、戦《いくさ》をしかければしかけるほど、その大名の威勢があがる。 相州の
生麦《なまむぎ》というところで、薩摩の侍が毛唐を斬って、それから、薩州様と毛唐と....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
お前さん、攘夷という攘夷で、今まで儲《もう》かった攘夷がありますかい。早い話が、
生麦《なまむぎ》の事件でござんさあ、薩摩っぽうが勇気|凜々《りんりん》として、毛....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らとでは段が違いやして、太刀打《たちう》ちができる相手じゃあがあせん。現に相州の
生麦村《なまむぎむら》に於て、薩摩っぽうが無礼者! てんで、毛唐を二人か二人半斬....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
回までのところを見るとよくわかるが、その要領は次の如きものです。 「現に相州の
生麦村に於て、薩摩っぽうが、無礼者! てんで、毛唐を二人か二人半斬ったはよろしい....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
いや》しい目的が絡《から》まなければならない。 彼女は大森にいると伝えられた。
生麦《なまむぎ》にかくれているとつたえられた。鎌倉に忍んでいると伝えられた。 ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
因果覿面、好き気味なりと竊に語り合いしという。 またその反対の例を記せば、彼の
生麦事件につき英人の挙動は如何というに、損害要求のためとて軍艦を品川に乗入れ、時....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
これは見えなかった。 ビイヤホールの客は、今わずかに三組の外には無かったので、
生麦酒の出入をする一段高い台の上には、器械を胸の辺にして受持のボオイがあたかも議....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
今までかつて持って来た事の無い様な品々を運び入れた。その重なるは麺麭に作る麦粉、
生麦を始め一切の食物及び植物学上に知られているすべての草木の種などであった。 ....
「福沢諭吉」より 著者:高山毅
たいあつかいをうけなければなりませんでした。 それは、ちょうどこのとき、日本で
生麦じけんがおこったという知らせが、フランスへつたえられたからでした。 薩摩(....