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産地
「産地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
産地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
尾よく三か所に植え付けられ、その一か所京都に近い宇治は、今なお世にもまれなる名茶
産地の名をとどめている。南宋の禅は驚くべき迅速をもって伝播し、これとともに宋の茶....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ありました。九郎というのではなく、黒と書くのだそうです。御承知の通り、奥州は馬の
産地で、近所の三春には大きい馬市が立っていたくらいですから、黒太夫の家にもたくさ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
すぎないだろう。けれども、それが地理的に接近しているのは、ちょうどその中心に、主
産地であるエルツ山塊があるためにほかならないのだ。しかし、要するに、あの千古の神....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
巨額をお払いしますじゃ。チャーチルも申しとりましたが都合によっては、カンガルーの
産地オーストラリア全土を博士に捧げてもよいと申して居りますぞ。どうぞその代り、博....
「獏鸚」より 著者:海野十三
などを食す。いやまだ食うものがある。人間が夜見る夢を食うことを忘れちゃいけない。
産地は馬来地方……」 「もう沢山だ」と私は悲鳴をあげた。 「では鸚鵡は鳥類の杜鵑....
「異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
たり泥を吐かせたりしなければならぬ。寒い季節になると巴里の魚屋の店頭にはこうして
産地から来た蝸牛が籠の中を這い廻っている。 蝸牛料理はまだ一種類しかない。それ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
本で、中には壜に密閉してあるのも見える。山、池、野原、川岸、土堤、寺、宮の境内、
産地々々の幻をこの一室に籠めて物凄くも感じらるる。正面には、紫の房々とした葡萄の....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
安置して、観音扉を八文字に、格子も嵌めぬ祠がある。ために字を熊坂とて、俗に長範の
産地と称える、巨盗の出処は面白い。祠は立場に遠いから、路端の清水の奥に、蒼く蔭り....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
人にたまたま見かけるだけなので、そういうモデルを探した。ところが揚州は古来美人の
産地として有名なところであり、唐の楊貴妃もここの産であったという。揚州へ行けばき....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
人に聞く、福井より三里|山越にて、杉谷という村は、山もて囲まれたる湿地にて、菅の
産地なり。この村の何某、秋の末つ方、夕暮の事なるが、落葉を拾いに裏山に上り、岨道....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に小都邑をなせり。ほかの諸島は飲用水なく、すべて雨水を用うという。この地は真珠の
産地にして、各国各種の人種相集まり、その間に雑婚して、混血の人種を生じ、白・黄・....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
な気持ちになったらしい声で微笑しながら、 「この先の八幡が君の大好物の蒟蒻玉の名
産地だそうだよ。今晩の夕飯に宿へ取寄せて貰って沢山食べ給えよ」....
「空晴れて」より 著者:小川未明
、はじめて田舎から出てきた賢一のめんどうをよくみてくれました。薪や炭や、石炭を生
産地から直接輸入して、その卸や、小売りをしているので、あるときは、駅に到着した荷....
「おばあさんと黒ねこ」より 著者:小川未明
た自分の村へ帰ってきたのです。 北国のさびしい村は、こうしていつしか名高い薬の
産地と知れ、富んだ町となりました。....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
らに二十年ほど戻して、私のふるさとの村へ返そう。 播州平野に流れる揖保川は鮎の
産地として名高い。私はその揖保川の堤から二、三町ばかり行った百戸ばかりの一寒村で....