産婦[語句情報] » 産婦

「産婦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

産婦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小さき者へ」より 著者:有島武郎
。書斎に閉じ籠《こも》って結果を待っていられなくなった。私は産室に降りていって、産婦の両手をしっかり握る役目をした。陣痛が起る度毎《たびごと》に産婆は叱るように....
競馬」より 著者:織田作之助
がに恥《はずか》しそうにひろげて診《み》てもらうと、乳癌《にゅうがん》だった。未産婦で乳癌になるひとは珍《めず》らしいと、医者も不思議がっていた。入院して乳房《....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
す。 なぜか、根性曲りの、邪慳な残酷なもののように、……絵を見てもそうだろう。産婦が屏風の裡で、生死の境、恍惚と弱果てた傍に、襷がけの裾端折か何かで、ぐなりと....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
よ」 帆村探偵対狼 神田駿河台は、俗に、病院街といわれる。それほど、××産婦人科とか、××胃腸病院とか、××耳鼻医院とか、一々名を挙げるのに煩わしいほど....
夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
したのだった。 「一口に云えば――」と、わしの顔をジロリと見て、「子宮鏡という、産婦人科の道具だね」 「よし、判った」わしは、ピカピカするそれを、横瀬の手から、....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
一人も懊悩のために病いを発して死んだ。 虎の難産 廬陵の蘇易という婦人は産婦の収生をもって世に知られていたが、ある夜外出すると、忽ち虎に啣えて行かれた。....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
刀を真先に露払いで乗込めさ、と古袴の股立ちを取って、突立上りますのに勢づいて、お産婦を褥のまま、四隅と両方、六人の手で密と舁いて、釣台へ。 お先立ちがその易者....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
べい。」 その時、提紙入の色が、紫陽花の浅葱淡く、壁の暗さに、黒髪も乱れつつ、産婦の顔の萎れたように見えたのである。 谷間の卵塔に、田沢氏の墓のただ一基|苔....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
心|合力の手紙であった。なんでこんな手紙をよこしたのかと評議しているうちに、奥の産婦もひとまず落ちついたので、主人の市兵衛も店へ出て来た。 手代どもからその話....
この握りめし」より 著者:岸田国士
慰藉料まで請求するという。それからまた、ある淫奔な娘を堕胎の嫌疑で取調べると、助産婦と結託しているのでなかなか真相がつかめない。密告によるものだけれども、その密....
笑について」より 著者:岸田国士
に肋膜と診断したのです。そして当分、絶対安静を命じました。すると産科の主治医は「産婦は三週間以上横になつたままでいるとちよつと困るのだ。その理由は、即ち、子宮後....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
ると、自分の子は死んで産れたところで……これこそ虫が知らせたので、ちょうど好い。産婦に血を上らしてはいけねえと、連れて来た赤ン坊を今産れたと偽る様に産婆と腹を合....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
とて、神にも人にも許さるべしや。)と追つけ、慚愧後悔をするのです。 能登では、産婦のまだ七十五日を過ぎないものを、(あの姉さんは、まだ小屋の中、)と言う習慣の....
俗臭」より 著者:織田作之助
が若い頃、詳しくいえば十八歳から二十一歳までの足掛け四年間、京都医大附属病院で助産婦見習兼看護婦をしていたことゝ関係がある。 看護婦時代、醜聞があった。恋愛と....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
説しておいたから、それについて見てもらいたい。けだし彼らはもと産小屋の地にいて、産婦の世話をすることを以て、生計の重なるものとしておったものらしい。しかるに後に....