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産後
「産後〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
産後の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
れるが早いか、もちろん歩いたりしゃべったりするのです。なんでもチャックの話では出
産後二十六日目に神の有無《うむ》について講演をした子どももあったとかいうことです....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
缶詰さ。――あなたは気のふさぐのが病だって云うから、これを一つ献上します。産前、
産後、婦人病|一切《いっさい》によろしい。――これは僕の友だちに聞いた能書《のう....
「女」より 著者:芥川竜之介
うもう》な灰色の蜘蛛を真昼の青空から遮断《しゃだん》してしまった。が、蜘蛛は――
産後の蜘蛛は、まっ白な広間のまん中に、痩《や》せ衰えた体を横たえたまま、薔薇の花....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に、こっちは湯治の何のというわけじゃないので、実は八丁堀の旦那(同心)の御新造が
産後ぶらぶらしていて、先月から箱根の湯本に行っているので、どうしても一度は見舞に....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
と真黒に、生際が濃く……灯の映る加減でしょう……どう見ても婦人でしょう。婦人も、
産後か、病上りてった、あの、凄い蒼白さは、どうです。 もう一人、) と私の脇....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
短夜の暁いまだ薄暗いのに、表の戸を急がしく打ちたたく者がある。近所にいる兄の妻が
産後の急変で危篤であるから、すぐに某博士を頼んでくれとのことを語るのであった。 ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
え、ええ、お前様。」 「誰と誰と、ね?」 「はじめがその出養生の嬢様じゃ。これが
産後でおいとしゅうならしった。大騒ぎのすぐあと、七日目に嫁御がお産じゃ。 汐時....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
沁む裡に、さっきから打ちかさねて、ものの様子が、思わぬかくし事に懐姙したか、また
産後か、おせい、といううつくしい女一人、はかなくなったか、煩ろうて死のうとするか....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
なって、 「もちろんその娘さんは、私がまだ十ウにならない内に亡くなったんだ。――
産後だと言います……」 「お産をなすって?」 と俯目でいた目を※いたが、それが....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
、垢じみた肌襦袢に包まれて、全身から放っていそうな、異様な臭いを振り撒きながら、
産後のお岩は、鏡を手に持ち、見るも無残な変貌を、物怖ろしげに見入るのであった。 ....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
ので、兄もずいぶん持て余していたようでございました。 お定は婿を貰いましたが、
産後の肥立ちが悪くて早死にを致しました。兄の夫婦ももうこの世にはおりません。生き....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
てしまって心配そうな太い静脈が額に絡み合っている。亭主の不身持か、世帯の苦労か、
産後からひき起した不健康か。一番大きな原因に思えそうなのはもうすっかり命数だけの....
「米」より 著者:犬田卯
てよかったのでもあった。 そんなことで、過去のことはいつか忘れられた。おせきが
産後の摂養期にあるときなど、浩平とお常は自然同じ仕事に携わらなければならず、笠を....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ひた走りに、駆出しましたが。 お洲美さんは――水木藻蝶の年も待たず、三年めに、
産後で儚くなりました。 「その紅緒なんです。その朝顔の笠、その面影なんです。――....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
であった。そんな状態で幾年かを無意味に送る間に、お杉は懐胎して重太郎を生んだが、
産後の肥立が不良いので久しく床に就いた。其隙を窺って重蔵は逃げて了った。 今度....