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産気
「産気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
産気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
生命は昏々《こんこん》として死の方へ眠って行った。
丁度三時と思わしい時に――
産気がついてから十二時間目に――夕を催す光の中で、最後と思わしい激しい陣痛が起っ....
「放浪」より 著者:織田作之助
糞わるく雨が降って、雨男である。三年前にも来て降らせた。よりによって順平のお母が
産気づいて、例《いつ》もは自転車に乗って来るべき産婆が雨降っているからとて傘さし....
「雪後」より 著者:梶井基次郎
だった。その牛は荷車を牽《ひ》く運送屋の牛であった。荷物を配達先へ届けると同時に
産気づいて、運送屋や家の人が気を揉《も》むうちに、安やすと仔牛は産まれた。親牛は....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
めた。 豹一の頭髪が漸く七三にわけられるようになった頃、友子は男の子を産んだ。
産気づいたことが、母親の声で新聞社へ電話された。 豹一は火事場に駈けつけるよう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
その番太郎のとなりに小さい筆屋があって、その女房が暮れ六ツ(午後六時)過ぎに急に
産気づいた。夫婦掛け合いの家で、亭主は唯うろうろするばかりであるので、お倉はすぐ....
「わが町」より 著者:織田作之助
遠くなり、ふと気がついた時は、もう他吉の俥の上で、にわかに下腹がさしこんで来た。
産気づいたのだと、他吉にもわかり、路地へ戻って、羅宇しかえ屋のお内儀の手を借りて....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
たということだった。 ある朝、私が顔を洗っていると宿の人が呼びに来た。今、鹿が
産気づいています。早く見に来なさいというのだ。私は産というものは一切見たことがな....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、携わる連中に――面と向っては言いかねる、こんな時に持出す親はなし、やけに女房が
産気づいたと言えないこともないものを、臨機縦横の気働きのない学芸だから、中座の申....
「夢殿」より 著者:楠山正雄
いつものように御殿の中を歩きながら、お厩の戸口までいらっしゃいますと、にわかにお
産気がついて、そこへ安々と美しい男の御子をお生みおとしになりました。召使いの女官....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
の地本問屋和泉屋市兵衛の宅では、女房の難産で混雑していた。女房は日の暮れる頃から
産気づいたのであるが、腹の子は容易にこの世に出て来ない。結局は死産であったが、母....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
使が来て、おっ母さんにちょっと会いたいから直ぐにお出でくださいというので、もしや
産気でも付いたのかと、お峰はすぐに駕籠を飛ばせてゆくと、お妻の様子は常に変らなか....
「暴風雨の夜」より 著者:小酒井不木
しましたので、予て妻と打合せてあった室に運びこみました。すると程なく、友江さんは
産気づきました。生れた子は黴毒のために恐しい姿となって死んで居ました。友江さんが....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
ようにならはったと、さすがに見抜いていた。 年があけて、持子は男の子を産んだ。
産気づくとおたかは襷を掛けて、鉢巻しかねなかった。産婆が取りあげると、娘たちは、....
「放浪」より 著者:織田作之助
るく雨が降って、雨男である。三年前にも来て雨を降らせた。よりによって順平のお母が
産気づいて、例もは自転車に乗って来るべき産婆が雨降っているからとて傘さして高下駄....
「わが町」より 著者:織田作之助
が遠くなり、ふと気がついた時、もう他吉の俥の上で、にわかに下腹がさしこんで来た。
産気づいたのだと、他吉にもわかり、初枝を寝かすなり、すぐ飛んで行って、産婆を自身....