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甥御
「甥御〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
甥御の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「令嬢アユ」より 著者:太宰治
持が統一されて行くのであろう。いいことだ、と佐野君は思った。 「可愛いがっていた
甥御さんだったから、」令嬢は利巧そうな、落ちついた口調で説明した。「おじさんが、....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、必ず貴女の御意見を伺って其の通りに手入れを致しましょう」怪美人「イエ実は先頃も
甥御から事に由ると貴方がお買い取り成さるかも知れぬ様に伺いましたから、一度はお目....
「立枯れ」より 著者:豊島与志雄
た。中江はいらいらしてきて、それを率直に尋ねたのだが、柴田は平然として、旧社長の
甥御だからただ御報告にあがったのだと、更に不得要領な返事きりしなかった。その図太....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
「なるほど」 「ところが、先君利与さまの外戚《がいせき》、御内室《ごないしつ》の
甥御にあたられる北条数馬《ほうじょうかずま》どの、源次郎さまを廃して、おのれが十....
「P丘の殺人事件」より 著者:松本泰
後の扉を閉めた。 「貴郎はベースウオーター街二十番地に住んで居らるる林という方の
甥御さんで、坂口さんと仰有る方ですね」一人の男が口を切った。坂口は黙って点首《う....
「緑衣の女」より 著者:松本泰
ったですが、もと/\心臓はおよわかったようです。昨夜は倫敦《ロンドン》から奥様と
甥御さんがおいでになって、附切りでご看護をなすっておられたです。」と支配人はいっ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
念を入れて仕上げてくれ、近々にその後室様が、実の児よりも可愛がっておいでなさる、
甥御が一方。悪い茶も飲まずに、さる立派な学校を卒業なされた。そのお祝に、御教訓を....
「幽霊」より 著者:小野佐世男
は物持ちの老婆であって、風流好みのこの屋敷を建てたが、一人身の淋しさから、一人の
甥御と二人暮しをはじめた。ところが、この甥が女のことで金につまり、この老婆の財産....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
前にカルルをつれていき、たずねた。「私はすばらしい甥をもっているでしょう?」 「
甥御さんとお知合いになれまして、私は大いによろこんでいます」と、船長はただ軍隊の....
「審判」より 著者:カフカフランツ
い表わそうとしたのであろう。しかし、ずっと熱心な調子で彼は言葉を続けた。 「君の
甥御さんのことだが、もしこのきわめてむずかしい問題にぶつかれる元気がわしにあるな....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
るかわかりませぬな」
といった。
「おおそうか。ではこのお子は、要人殿の義理の
甥御か」
妙秀はそういいながら、風炉先のそばを離れて、武蔵と息子の前へすすみ、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
えは、上州|下仁田の、草薙家の家来でござる。草薙家の亡主天鬼様は、鐘巻自斎先生の
甥御でござった。――で、小次郎どのとは、御幼少から存じておるので」 「あ。巌流先....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
?」 「ええ、その高氏さまは」 と、覚一は、何のためらいなく、 「この母には、
甥御。……ですから、私には、いとこに当るお方です」 「そうでしたか」 と、元成....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
あっはっ、すっかり此処にいたのを忘れていたんだよ。」と笑った。甥といっても大きい
甥御さんだった。元気|溌剌としてござる。 そこで皆が大型の方へ乗り移ると、ぼう....